干菓子
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名詞
137 の例文
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探偵などというものは、最初から当事者であるにもかかわらず、それに気づかぬ愚か者なのだ。いいか、干菓子は蓋を開けたときにその性質を獲得した可能性もある。
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柄にもなくそう思った半十郎は、すぐに生あたたかい体臭のようなものに顔をつつまれた気がして顔を上げた。若い女が横に来て、半十郎に茶と干菓子をすすめているところだった。ほのかな髪油の匂いと、それを押しのけるような、かぐわしく生あたたかい体臭が、またしても近近と匂った。
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相手が下戸だったとすれば、手軽くインスタント珈琲をいれて飲ますであろう。お茶うけに干菓子をすすめるという思いつきは男性のものではなかった。それに加えて、茶菓子を喰べさせておき、相手の油断しきった隙をついて刺したそのやり方が、女性特有の陰険さを暗示しているように思えるのだ。
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江戸時代は前田家から徳川家への献上菓子であった。風雅さが茶人にも好まれ、茶の席での干菓子としても用いられている。なお、名古屋市の亀末廣でも「うすらひ」という、薄氷をかたどった菓子が作られている。
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呼ばれた女中はまず深いブリキかんにはいった干菓子を持ってきた。例のイギリス風の味もそっけもないぼろぼろのパン菓子である。
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茶の間の阿部家の家族用の囲炉裏端に呼ばれて挨拶している親戚筋らしい者たち。てるは、適当に挨拶を受け流しながら、お茶受けの干菓子を口に運んでいる。涼之助は部屋に戻ろうと、大広間から出ていった。
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花も実もあるその反応に楓は満足し、残りの干菓子を一口に頬ばった。
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このような高貴な場に供されるものは、糖類に和三盆、または精製された糖蜜の少ない黒砂糖が使われる。現在の中国においては、下記のような落雁、および類似の型押して作る干菓子がある。
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かいちんとは石川県で製造されるおはじきを模した干菓子。外側はやや硬く、弾力感がある半透明の干菓子で金沢を中心に販売される。さまざまな色の動物や花の形があり、寒天と砂糖で作られる。
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現在では名鉄神宮駅前売店に喫茶部「喜与女茶寮」が併設されている。きよめ餅以外で代表的なものとして干菓子の「藤団子」が挙げられる。一般的には十団子と呼ばれる和菓子で、熱田神宮で献茶会が行われる毎月15日に合わせて販売されている。
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「どれ、何の土産をくれるか、一つ拝見せず」 とおげんは新しい菓子折を膝に載せて、蓋を取って見た。病室で楽しめるようにと弟の見立てて来たらしい種々な干菓子がそこへ出て来た。この病室に置いて見ると、そんな菓子の中にも陰と陽とがあった。
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「こ、これは済みません」 若だんなが己の茶と一緒に、松之助の分も淹れて出すと、松之助は益々堅くなった様子でかしこまる。それきり黙ってしまったものだから、茶筒に入っていた干菓子を勧めながら、自分の方から話し始めてみた。
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中にはたぶん干菓子が入っているのだ。
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女どもは、溢れ出ようとする愚痴を、切なく抑えて胸が一ぱいになっていた。子供らは荷物の間に挾まって干菓子などを噛んでいた。ながい時間を、家中のものはお互いの身体を寄せあって立っていた。
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しかし家のなかはひっそりとして、物音一つしないのであった。女中が、抹茶に干菓子を添えて出てくると、再び黙っておじぎをして出て行った。驍がその茶碗を飲みほしたときだった。
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よんどころなく善平は起き直りて、それでは仲直りに茶を点れようか。あの持って来た干菓子を出してくれ。と言えば、知りませぬ。
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それは私に、或る種の精製された上等の干菓子を聯想させた。一寸それを口にしたら、言ひ知れぬ微妙な甘い露となつて、じんわりと舌の先で溶け去つて了ひさうで、一種食慾に似たものを感じさせさへした。
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