帰省
全て
名詞
1,594 の例文
(0.00 秒)
-
菜緒は、郷里にも帰らずに東京で静かな新年を迎えた。北海道の両親に電話をすると、なぜ帰省しないのだと不満げにいわれた。その言葉の裏に、寂しいよ、という想いがぴたりとはりついている。
...
-
会社を休まないと死んでしまうとすら思ったのだ。課長には帰省するといったものの、まだ決心していたわけではなかった。それでも家に戻り、さて、どうやって休みを過ごすかと想いを巡らした時、私は行き詰まった。
...
-
行李の底から、帆足万里の書いた小さい軸を出して、壁へ掛けた。これは先年帰省した時、装飾用のためにわざわざ持って来たものである。それから豊三郎は座蒲団の上へ坐って、しばらく軸と花を眺めていた。
...
-
ぼくはそれをすまないと思った。だから帰省するたびに、そのことでにがい思いをするときがよくあった。しかしそれは胸をつくほどのものではなく、辛抱できるものだった。
...
-
彼は帰郷したとき、じつはそれが目的で帰ってきたのだと白状しようかと思ったのだった。しかし、彼の帰省の理由がそれで全部だったとはとても考えられない。いちばんたしかなのは、彼の心に俄かに湧きおこって、あるあたらしい未知の、だがすでにどうにも避けられない道へと彼を有無を言わさず誘い出したものが、いったいなんであったのか、その頃は自分にもわからなかったし、どうしても説明がつかなかったというところだろう。
...
-
-
二階に住む小学校の先生夫婦が三、四日前から九州のほうに帰っているのを私は知っていた。その先生は店によく来て中華ソバを食べるので帰省の話を聞いていた。私はまず甚兵衛の家の裏口に回り、軒下に積んである薪の割木の山から手ごろなのを一本握り、そこから二階を見上げたが、雨戸が閉っていてその隙間から灯も洩れず、先生夫婦が九州に帰っているのは確実だと思った。
...
-
大学生の御城康一は、恋人の死をきっかけに、故郷の島にあまり寄り付かなくなってはいたが、妹・由乃のために時々は帰省している。ある夏、帰省先で彼は「島に怪物が出没している」という噂を耳にする。その後、彼は噂通り怪物に襲われてしまう。
...
-
ヴォーカルを担当する。帰省する友達について遊びに行くので車を出してくれないかと言っているらしい。萩田には父親の置いていったセダンがある。
...
-
私はそのころ熊本で夏目先生に句を見てもらっていた。そして帰省すると甥に句を作らせて自分が先生のつもりでいたものらしい。とにかくそのころの亮と私の生活はない交ぜたもののようになっていた事がこの帳面を見てもよくわかる。
...
-
事故により、乗客のネパール人22人とバングラデシュ人24人、中国人1人とバングラデシュ人の乗員4人の計51人が死亡した。犠牲となったネパール人の多くは帰省のため搭乗していた医学生だった。生存者は20人で、いずれも重傷を負った。
...
-
寝床の中でパチンと眼を開いて、窓硝子の向こうを見つめていると、びゅうびゅうと風が吹いているのが分かりました。今日は実家へ帰省するための切符を生協へ買いに行かなくてはなりません。私はひょこんと起きあがり、詭弁踊りを踊って気合いを入れました。
...
-
題に帰省と云ひ、詩に第六句があるを見れば、金子は故郷に親があつた。三月の詩会は十九日に千駄木村植緑園に催された。
...
-
みんなには、ちょっと休暇をもらって帰省したというふうに思わせるのだ。おとうさんとふたりきりのときに、おれが銃がなくて困っている、三千挺ばかりなんとかしてほしい、と話してくれ。
...
-
通算連続出場は953回で途切れ、同時に7勝8敗と負け越しも決定した。場所後には珍しく実家に帰省し、3日間程度はとにかく寝て過ごしていた。気持ちが切れたかのように寝続けていたため、会いに来た知り合いも帰ってしまったという。
...
-
暮れに帰省した保郎が、京都に帰って行ったのは七日の夕方であった。あの日の午後、保郎に電報が来た。
...
-
夫は一生海軍々人で終る積りであつたが突然其兄が死んだので家を継がねばならぬ様になつた。お桐は舞鶴へ行つた翌年の夏、夫が休暇に帰省する時一緒に帰つて来た。夫は後二年で再役年限が終るから其時満期を取つて帰る都合にして再び舞鶴へ行つた。
...
-
母の実家は山形県で、幼い頃は帰省する度にいとこ達と遊んでいたという。
アマゾンで検索:帰省