已に之
5 の用例
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もし空間を認識する通路が空間ではなくして空間という概念であるのならば、かかる空間はカントの物自体に似たものとならなければならぬであろう。
この種類の困難は多くの人々が已に之を指摘している。
併しそればかりではない。
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戸坂潤『性格としての空間』より引用
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故に考證の基礎を地名、官名、人名等に求むるの寧ろ不確實なる道里に求むるよりも安全なるを知るべし。
地名を等閑視するの過は、白鳥氏の考證に於て、已に之を見る者あり。
氏は魏使が一支より末盧に至れる地點を定むるに、菅氏の説に據りて松浦郡値嘉島の見禰良久崎に因りし者となせり。
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内藤湖南『卑弥呼考』より引用
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又邪馬臺國の南に狗奴國と稱する大國ありて、女王國と拮抗せしことは、前文已に之を説き盡したりと思惟す。
余輩は以上三個の理由によりて、女王の領土は九州の北半に跨がり、而して其都邪馬臺國は此全版圖の西南部即ち肥後國の内にあるべきを信ぜんと欲す。
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白鳥庫吉『倭女王卑弥呼考』より引用
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曰く邪馬臺國は不彌國より南方に位すること、曰く不彌國より女王國に至るには有明の内海を航行せしこと、曰く女王國の南に狗奴國と稱する大國の存在せしこと即ち是なり。
さて此の中第一、第二の二點は『魏志』の文面を精讀して、忽ち了解せらるるのみならず、先輩已に之を説明したれば、姑く之を措かん。
然れども第三點に至りては、『魏志』の文中明瞭の記載あるにも拘らず、余輩が日本學會に於て之を述べたる時までは、何人も嘗てこゝに思ひ至らざりしが故に、又此點は本論起草の主眼なるが故に、余輩は狗奴國の所在を以て、此問題解決の端緒を開かんとす。
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白鳥庫吉『倭女王卑弥呼考』より引用
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東坡固より牧之の詩を窃む者に非ず、然かも竟に是れ前人已に之を道へるの句、何んすれぞ文潜之を愛するの深きや、豈に別に謂ふ所あるか。
聊か之を記し以て識者を俟つ。
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河上肇『放翁鑑賞』より引用