巧言令色

全て 名詞
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  • しばらく議事堂や警視庁の建築をながめたあとで、眼を返してお濠と土手とをながめるならば、刺激的な芸のあとに無言の腹芸を見るような、もしくは巧言令色こうげんれいしょくの人に接したあとで無為に化する人に逢ったような、深い喜びを感ずるであろう。 和辻哲郎『城』より引用
  • なにしろ、巧言令色こうげんれいしょくとは縁のない男である。 田中芳樹『アルスラーン戦記03』より引用
  • その光栄の失敗の五年の後、やはり私の一友人おなじ病いで入院していて、そのころのおれは、巧言令色こうげんれいしょくの徳を信じていたので、一時間ほど、かの友人の背中さすって、尿器にょうきの世話、将来一点の微光をさえともしてやった。 太宰治『創生記』より引用
  • おかげで、こうして力の理論と巧言令色がガッチリ結託したような母娘を前に、手出しもならず、わが家の少数民族の悲哀をかみしめる羽目になったのだろう。 近藤紘一『サイゴンから来た妻と娘』より引用
  • 道具屋輩をして呆然ぼうぜんたらしめるようなより以上な巧言令色はお茶人気質かたぎの旦那筋にこそあって、本当の商売人という凄腕すごうでは果たしていずれであろうかが分明しない現実もある。 北大路魯山人『現代茶人批判』より引用
  • 山本が、クラスメイトでありながら嶋田のことを「巧言令色」とののし所以ゆえんであろう。 阿川弘之『山本五十六』より引用
  • それが、何たる事だ、巧言令色の飴をしやぶらせて、あのおべつか使ひの猟犬め、この俺をちやほやしたものだ! シェイクスピア/福田恆存訳『ヘンリー四世』より引用
  • 孔子さまも『巧言令色スクナイカナ仁』と云ってるとおり、おべんちゃらな人間には誠が少いことはたしかなんだが、その反対に、口がわるいからって、必ずしもその人間が立派だということにはならない。 石坂洋次郎『陽のあたる坂道』より引用
  • まへさまはわたしを、うまくたらしてはさうとおもひ、巧言令色かうげんれいしよくかぎりをつくして、うまく誘導訊問いうだうじんもんをなさるが、マアめておきませうかい。 出口王仁三郎『霊界物語 rm 29 20080623』より引用
  • 誠意を欠く巧言令色こうげんれいしょくの見本であるが、税金がかかるわけでもないから、AAAはたっぷりとリップ・サービスしてやった。 田中芳樹『七都市物語 (「扉」最適化)』より引用
  • それから色、すなわち性慾のことだって、あいつのは、なにも特に巧言令色に構えこんで、色魔だとか、誘惑だとかいう手段で行くのではない、眼の前へ異性の女の肉のかおりがうごめいて来る時に、ついついたまらなくなってかぶりつくまでのものだ。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 政敵のヨブ・トリューニヒトが「巧言令色こうげんれいしょく」としばしばののしられるのに対し、レベロが人格面で攻撃されたことはない。 田中芳樹『銀河英雄伝説 06 飛翔編』より引用
  • 先代の最高評議会議長であったヨブ・トリューニヒトは、反対派からは「巧言令色の徒」として徹底的に嫌われたが、支持者や浮動層の情緒を操作する点においては名人であった。 田中芳樹『銀河英雄伝説 07 怒濤編』より引用
  • これこそろうされる巧言令色、居あわせた人間はコロリとこの「ファラー公」の信奉者に転んでしまいます。 古川日出男『アラビアの夜の種族3』より引用
  • しかし、中年以後になると、水野忠成ただあきらのような巧言令色をもって家斉にびる老中が現れ、大奥の意を迎え、奢侈しやしの風、上下に興った。 松本清張『かげろう絵図(上)』より引用
  • あやういところで、金銀妖瞳ヘテロクロミアの総督は、トリューニヒトの巧言令色の底にたゆたう、危険なものの影を察知したのである。 田中芳樹『銀河英雄伝説 09 回天編』より引用
  • 性格は神経質で、デスラー総統の顔色をうかがい新型機雷に総統の名を取って「デスラー機雷」と命名したり、デスラーに追従を交えた報告作業をするなど、巧言令色を使うようなところもあったが、ガミラスの首脳部で早くからヤマトの危険性を感じていたのも彼であった。
  • しかも、今の彼たるや人臣の栄爵を極め、その最高にある身だけに、その巧言令色こうげんれいしょくにたいする歓びも受けいれかたも、とうてい、宮門警手の一上官などの比ではない。 吉川英治『三国志』より引用
  • さるほどに奸佞邪智かんねいじやちけたる邪神じやしん内面ないめんにありて操縦さうじうする常世彦とこよひこは、巧言令色かうげんれいしよくよく天下てんか諸神人しよしん悦服えつぷくせしめたりける。 出口王仁三郎『霊界物語 rm 04 20080623』より引用
  • 人の好い大王はすっかり頭も逆上し、というよりは逆上あたまになり、これら巧言令色の忠公どもを、おのが屋形に陣取らせたので、夜となく昼となく、大王の栄誉を祝する金色の称讃や栄ある讃歌が、めったむじんに唱えられ、同じくかの雌鼠も非分に欣仰せられました。 バルザック/小西茂也訳『風流滑稽譚(第二輯)』より引用