小豆色
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名詞
189 の例文
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私は言われた通り、黙って車に乗った。車は私が函館で見たこともなかった、小豆色をしたどっしりとした車だった。悟郎は運転席に着くなり、「こいつはルノーっていう車だよ」と教えてくれた。
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小豆色の外車が一台こっちへゆっくりと走ってくるのが見えた。しかし、そのほかに人影はない。
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風はなかったが、昼間の暑さはしずまり、半袖のブラウス一枚では心許ないくらいの夜だった。小豆色の屋根が見えはじめた時、わたしはチェンバロの音を聞いた。最初は錯覚かと思えるほど微かな響きだったが、一歩足を踏み出すたびにそれは確かなものになっていった。
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だが、引き止めてくれなければ、一応でも家を出て行かないと形がつかなくなった安造は、さも苦しげにのれん口へ出た。目の前には、小豆色ののれんが三筋、中央に丸に成と染められていた。安造はのれんを指さした。
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夕刻の人波に揉まれながら再度山手線を使い、品川駅で京浜急行に乗り換える。ビルの谷間を走る小豆色の電車は、京急蒲田駅で五分ほど停車した。隣に座った和服の中年女が、ハンカチで鼻を押さえ、顔を顰めた。
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東北地方では根元まで青いものを青ミズ。根元が赤く葉の付け根に小豆色のムカゴができるものを赤ミズと呼んでいる。大きな小豆色のムカゴができるものはこの赤ミズで、全草が枯れる前までにこのムカゴから芽が出る。
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台車はブリル社の27E-1形を備えた。車体の外部塗装は小豆色で、側面に大きな京阪の社紋があしらわれていた。開業時、大阪天満橋・京都五条間を1時間40分で結んだという。
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内張りのライナーはタン色の革貼りである。サービスシューズは米陸軍の最も基本的な履物である小豆色の革靴である。前期型はトウキャップが付いていたが、後期型の物は簡略化されてトウキャップがなくなり、一体のゴム製靴底が特徴になっている。
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女の肩から煙草を離す。皮膚にできたばかりの、小豆色の火傷を見つめながら煙草をふかす。煙草の先端で消えかけていた火が、また赤くなる。
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正面には清澄な空気をつんざいて、噴火山が濃い小豆色に聳え立っていた。頂の煙が、揺がず立ち昇っている。
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最も多く使われている赤軸の他に、黒軸と透明軸の物が存在している。過去には緑軸、青軸、ピンク軸や小豆色のものも発売されていた。
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ぎりっと、嫌な音がした。もとは色がついていなかったブラジャーが、染みこんだ血で小豆色に染まっている。大きめの胸に、弓子は、顔をつける。
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見渡す限りの白。コンクリートだったはずの地面も、小豆色だったはずの屋根も、そして自分の姿さえも同じ色に変わる。そんな真冬の街で、もう何時間も何日もこの場所に立っているような錯覚さえ覚えた。
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バーシーとオゼロットの交雑種。小豆色の水中葉を幾重にも茂らせ、ギボウシを赤くしたような草姿をしている。小型の種類である。
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その婦人は黒っぽいコートを着て、古風な小豆色のお高祖頭巾をかぶっていた。輪タクに乗ってきたとみえて、コートもお高祖頭巾も雪にぬれてはいなかった。
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「あの、柊屋さんの若だんなは、お見えになっていらっしゃいましょうか」 『御舟宿、浮舟屋』 と、行灯のかかった店先へ小声でよんではいってきたのは、いうまでもなく中村玉枝だ。小豆色のお高祖頭巾で顔をくるんでいるのは、寒さをよけるためばかりではないであろう。
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小豆色をした花の蕾のような肛門が、ヒクヒクと震えるのが見える。少女の尻は本当に小さくて、僕の両手でそのほとんどが隠れてしまうほどだ。
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