小耳に挟む
18 の例文
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会話を小耳に挟んだのか、周囲にいた人々もまた目配せをし合っていた。へたり、と腰を浮かせていた長太郎が坐り込んだ。
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笹村は時々兄から祖先のことを言い聞かされることがないでもなかった。自分の母親の実家に伝わったいろいろの伝説なども小耳に挟んでいた。
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パパとママが、「しっくり行っていない」ことは、察していた。この表現は、いつか、叔母さんが言っているのを小耳に挟んだのである。意味がはっきり分ったわけではないが、何となく、どういう意味かは察せられた。
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住人が何というのかでさえ、広沢は聞いていない。東京近郊から越してくるらしい、という噂だけを小耳に挟んでいた。村で何か造作があると、必ず安森工業がそれを請け負う。
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小耳に挟んだんだけどさ、おまえ少年課では曲者だといわれてるんだって?あのニコニコ顔に騙されちゃ駄目だぞうって。
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「や、悠ちゃんはサムライだなあ」 悠木の顔を見るなり、「おやっさん」は皺に沈んだ目を見開いた。悠木が日航機事故のデスクになったことを小耳に挟んでいたのだろう。その忙しい最中によく飲みに出る気になったものだと感心している顔だ。
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この伊勢殿の屋敷が厳重に固められていて、門には見張がついていることは姫も聞き知っている。ただ水音の聞える庭の裏手に、舟着場があると小耳に挟んだことがあった。姫はそちらの方へ走って行った。
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最初に誘われた時から『超包子』についての話をあちこちで小耳に挟んだ。超さんが来た二年ほど前から学園祭期間に開かれる路面電車を改装した中華料理屋台の屋号。
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孔明の宣伝工作のせいで〝臥竜〟の風聞は新野にも聞こえていたはずであり、また黄承彦の醜女を貰ったという悪評高い噂も耳にしていたに違いないのだが、それでも知らんふりだ。まあ、小耳に挟むくらいはしていたろうが、くらいには思ったかも知れない。襄陽一の醜女、黄氏との結婚についても、と、孔明を一種の卑劣漢と思ったかも知れない。
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孝江は村のことに興味がなかった。だから、篤が死んだことを小耳に挟んでいながら、右から左に忘れていた。自分の値打ちを保証してくれる尾崎の威光を信じていた。
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平素は叮嚀で慇懃でさえあるクロヴィス爺さんの甥に当るその給仕は私の言葉にひどく冷い受け応えをした。ところで昨夜彼は夕食の給仕をしたから、きっと何か小耳に挟んだのにちがいない。それにしてもどんなことを聞いたのだろう?
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そのほとんどが、トイレや酒の席で小耳に挟んだ刑事たちの愚痴や陰口である。
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機械が好きでたまらないのが見ていてよくわかったが、そればかりでなく、ラルフ自身にも惚れこんだようだ。わたしは、医師がスメスウィックに声を細めていっているのを小耳に挟んだ。
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みんな、未来の生徒会長候補を見るために、ここに集まっているようだった。飛び交うおしゃべりを小耳に挟んだところ、まだ三人とも来ていないらしい。写真部のエースの姿も、新聞部の部長の姿もあった。
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が、それはともかく、二人はオノゴロ島に降り立って柱を建て、建て終わったところで有名な問答を交わしあう。原文に近い形で引用するが、きっと一度くらいは小耳に挟んだことがあるだろう。
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最近小耳に挟んだ、彼女が酒を覚えたらしいという噂。いま知った妙な休養の件。
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耳学問というものがある。ちょっと小耳に挟んで得た知識、あるいはなにかの本で読み部分的に知っているケースも多い。いずれにせよ根拠のしっかりしたものではない。
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