寄るべ

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  • 源氏がいなければ、寄るべのない紫の上はさすらわねばならない。 田辺聖子『源氏紙風船』より引用
  • あなたが孤児だからですよ、あなたが寄るべのない女だからです。 ドストエフスキー/北垣信行訳『貧しき人びと』より引用
  • 寄るべのない貧民たちは、町の人々がパンを焼くかまどの所に集まってくる。 バットゥータ/前嶋信次訳『三大陸周遊記』より引用
  • 寄るべない一同を、こんな温情のもとに迎えてくれた王倫おうりんの心のあたたかさ。 吉川英治『新・水滸伝(二)』より引用
  • 其を分解して行つて、前とはすつかり反対に、寄るべを失うた魂の話がしたい。 折口信夫『小栗外伝』より引用
  • なんだか身の毛立つような寄るべなさに襲われたのも、おそらく、そうした理由からであろう。 カフカ/谷友幸訳『アメリカ』より引用
  • というよりはむしろ、自分が航空の犠牲となった後の彼女が、寄るべない身の上になることを身にしみて感じたからだった。 内藤濯『星の王子とわたし』より引用
  • 今東の院に住んでおります妻は、寄るべの少ない点で絶えず私の気がかりになったものですが、それも安心のできるようになりました。 与謝野晶子『源氏物語』より引用
  • が、すぐにまた彼女の寄るべのない立場を思いやった。 バローズ『火星シリーズ01 火星のプリンセス』より引用
  • 奴はまるで、わしの寄るべない魔物の心をいたわりでもするかのように、ひどく悲しい顔をしたのじゃ。 浅田次郎『壬生義士伝 下』より引用
  • あばれ馬のために母が不幸な最期をとげて、私が貧しい寄るべのない子供として残されたことも、私のためによりよい将来をつくってくれたように見えた。 アンデルセン/神西清訳『即興詩人(下)』より引用
  • そして、悪霊のように、安息を求めて得られずに、寄るべなく丘の上へさまよい上っていた。 ディケンズ・チャールズ『二都物語』より引用
  • 卑怯で残忍な半兵衛にしてみれば、この寄るべない朝鮮の女にいかにも目を附けて貰い受けそうな話ではないか。 金史良『光の中に』より引用
  • 彼は最後のぎりぎりまで、まさかあの貧窮にあえぐ寄るべない二人の女が自分の権力下から抜け出すようなことがあろうとは予想もせずに、いばり返っていたのだった。 ドストエフスキー/北垣信行訳『罪と罰(中)』より引用
  • 今はまったく、天涯てんがい、寄るべなき二人とはなったのだ。 吉川英治『私本太平記』より引用
  • 過去の人間の肖像にも、感動的な半ば病的で半ば運命的な悲しみや孤立や寄るべなさの読みとられる学者や芸術家たちの肖像にも、類似のものが現われているのを、彼は知っていた。 ヘッセ/高橋健二訳『ガラス玉演戯(下)』より引用
  • 六条の院を造って、主なる妻妾さいしようたちのほかにも、曽てゆかりのあった女たちの寄るべのないものさえ引きとって世話をする大パトロンになっている。 円地文子『源氏物語私見』より引用
  • するとみんなの眼は、可哀そうな仲間が家族から遠く離れて、寄るべもなく死にかかっている、その暗い片隅のほうを振り向くのである。 ドーデ/村上菊一郎訳『風車小屋便り』より引用
  • わが愛しのドルカスは、今までにもまして、より高い天球からさまよってきた寄るべない子供のような姿で、その後ろを歩いていた。 ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書2』より引用
  • 旗艦きかんのハルがしずみ、気持ちの寄るべをなくしたブライトは逆上ぎゃくじょうしているのだ。 富野由悠季『機動戦士ガンダムⅠ』より引用
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