宛ら

全て 副詞
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  • 彼はさながら子供のやうな好奇心をもつてあたりを眺めまはした。 有島武郎『骨』より引用
  • 内部は天井も高く柱も大きくて立派で、さながら王宮の中にあるような思いを持った。 井上靖『おろしや国酔夢譚』より引用
  • 宛ら美しきものが彼等の中に何一つないかのやうにさへ見える。 柳宗悦『雑器の美』より引用
  • 避姙はさながら選挙権の放棄と同じようなもので、法律はこれを個人の意志に任せている。 永井荷風『西瓜』より引用
  • さながら自分等があの亂暴な野卑な催促を受けて居るかのやうで二人とも息を殺して身を小さくしてすくんでゐたのである。 若山牧水『一家』より引用
  • 宛ら他には何も無いかのやうに考へてゐる。 柳宗悦『雑器の美』より引用
  • かくて北斎は写実家の常としてさながら仏国印象派の傾向と同じく美の表現よりも性格の表現に重きを置かんとするに似たり。 永井荷風『江戸芸術論』より引用
  • 屍体は既に冷却し完全に強直してはいるが、その形状は宛ら怪奇派の空想画である。 小栗虫太郎『後光殺人事件』より引用
  • 春なれや花はさながら白雪の。 川又一英『ヒゲのウヰスキー誕生す』より引用
  • さながら例の陣太鼓でも打ち出すような盛んなとどろき方であった。 井上靖『星と祭下』より引用
  • 諄々じゅんじゅんとしてわが身のことを説きさとさるるさまさながら慈母のを見るが如くならずや。 永井荷風『書かでもの記』より引用
  • 穴は極めて低く狭いので、普通の人間には通行甚だ困難であったが、人々はさなが蝦蟇ひきのようになってわずかに這い抜けた。 岡本綺堂『飛騨の怪談』より引用
  • 巴里パリイ倫敦ロンドンを経て来た旅客りよかくに取つて狭いの郡市の見物は地図一枚を便りにするだけで案内者を頼む必要も無くさながふくろの中を探る様に自在である。 与謝野寛『巴里より』より引用
  • 今の世はたださえ文学美術をその弊害からのみ観察してさながら十悪七罪の一ツの如くいとい恐れている時、ここに日常の生活に芸術味を加えて生存の楽しさを深くせよといわば、それこそ世を害し国を危くするものと老人連はびっくりするであろう。 永井荷風『妾宅』より引用
  • と様々な疑問が、宛ら窒息させん許りの迫力で押し被さって来る。 小栗虫太郎『後光殺人事件』より引用
  • いずれにせよ、そうした地帯を見渡すと、土塊の拡がりはさながら波濤のように見える。 井上靖『私の西域紀行(上)』より引用
  • 岩はさながら獅子が口を明いたような形で、のどとも云うべき奥の処から、怪しき金色こんじきの光を発するのであった。 岡本綺堂『飛騨の怪談』より引用
  • 他の五国は少数民族の建てた国であるが、高昌国は漢人が建てた国で、住民はイラン系であったと思われるが、官制、風俗共に中国風で、さながら中国の植民地の観を呈している。 井上靖『私の西域紀行(上)』より引用
  • 地盤は波立っており、左手の波立ちはさながら海のようである。 井上靖『私の西域紀行(上)』より引用
  • こうさえすれば、どうやら受けて毎回お茶が濁せたこと、まるで昔、北海道の旅芝居ではいかなる劇中へも必らず義経が登場しては、お客さまを満足させたというあの珍談を宛らである。 正岡容『わが寄席青春録』より引用
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