守り立てる
全て
動詞
13 の用例
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こういう答のない色々の問が、今ではまだ野に充ちているように思う。
学者が都市に住んで標準語というものを守り立てるまでは、タンポポという草の名の行われていた区域は案外に狭いものであった。
それが今日のように流行したもとは、あるいは京都の子供の力であったかも知れない。
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柳田国男『野草雑記・野鳥雑記』より引用
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で仮に経済的・政治的・自由主義が転落しても、夫とは一応独立に文化的自由主義は一時的にしろ繁栄することが出来るのである。
だから、もし一般的に自由主義なるものを何でもいい守り立てる必要があるとすれば、経済的・政治的・な自由主義の大勢が不利である場合、当然文化的自由主義が、自由主義なるもの一般の最後の依り処とならざるを得ないわけである。
現在、自由主義一般の積極性を他ならぬこの文化的自由主義の内に求める文化人は決して少なくない。
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戸坂潤『日本イデオロギー論』より引用
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水をのみたいものが、目前に流れる水の面を見乍ら、のめば石となるか、死ぬかしなければならない地獄のせめが、始めて自分の心に、真実を以て迫って来た。
愛したい心は満ち、それは真実なものでも、よってもって自分の生きて居ると思う一点を守り立てるためには、その愛をぐっと耐えて自分の潜精力として行かなければならないこと。
若し自分にかけて居る未知数がなかったら、私は、死ぬか、無我夢中になってAに一生を投げ与えるだろう。
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宮本百合子『日記』より引用
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大老の忠勝でさえ12万石の所領しか得なかったと言えば、周囲の幕臣達も出世することに没頭せず、後世への模範となるだろうと、忠勝は考えていた。
しかし晩年には、何か大事が起こった時、12万石では幕府を守り立てるのに役立てないから、もう少し加増を得ておくべきであったとも述懐している。
家光は忠勝を特に信任し、「我が右手は讃岐、我が左手は伊豆」と述べたという。
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だから、当時の光秀の目的は、藤孝とともに、義昭に従って上洛することであり、かれの理想は、足利将軍家の再興であった。
その点、京都公方をも守り立てると宣言した上杉謙信の目標と同格であったといえよう。
光秀にとって、朝倉家に仕えたことは、結果的に見て、一つの方便にすぎなかったし、信長に臣事したことも、義昭を奉じて上洛するための方便にすぎなかったのである。
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桑田忠親『明智光秀』より引用
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シリアスとコメディーの両面を見せ、最終回ではサンバルカンではなく彼が敵の親玉を倒してしまうなど、随所で存在感ある演技を展開している。
舞台裏では若い主演陣を守り立てる役割を担い、とくにバルパンサー役の小林朝夫にとっては父親的存在でもあったという。
また、2004年に開かれた出演者のインタビューによると、バルイーグル役の川崎の降板を気の毒に思った岸田が「俺が『帰ってきた大鷲龍介』という脚本を書いてやる」と意欲を示していたという。
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井上はレース中の失格によりKEIRINグランプリの出場権を剥奪されたり、一時期はレース中での位置を巡って中野浩一と競りを行うなどファンだけでなく競輪関係者まで驚かせる一面もあった が、特に競輪道を重んじる選手としてファンの信頼も厚かった。
中野引退後も、その後継者の吉岡稔真を守り立てるなどして、九州の競輪界を盛り上げた。
しかしレース中の事故減点制度が厳しくなったため、当時の最上位格であるS級1班からの陥落が決定した時点で自ら引退を発表し、1999年の静岡競輪場での日本選手権競輪を最後にバンクを去った。
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堀田家の由来は、南北朝時代に後醍醐天皇第八皇子宗良親王を奉じて越中に落ち延びた朝臣の子孫である。
親王を守り立てるために廻船問屋業を始めたと言う。
この廻船問屋は、くにの代で廃業となる。
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同年11月25日に元就は隆元・元春・隆景の三子に対して有名な「元就教訓状」を出した。
元就は毛利の家名を存続させることを第一として、他名は当座のものである事、兄弟が協力して毛利家中を守り立てることを説いたのである。
これが毛利宗家を中心として吉川・小早川両氏がこれを支える「毛利両川」体制の成立時期と考えられている。
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更にマルティヌス4世の時代には司教枢機卿にあげられ、ホノリウス4世の没後10ヵ月後に教皇に選出された。
イタリア、リシアーノ生まれの彼は信仰深く、平和を愛する修道士であり、教会を守り立てるために何かをしようとか、ましてや異端討伐のための軍隊を出そうとか、異教徒相手の十字軍を出動しようといった考えは持っていなかった。
教皇庁の職務に就くようになってからもさまざまな派閥とは慎重に距離をとっており、当時教皇庁を悩ませていたシチリア王国との問題にもなんとか解決策を見出そうとしていた。
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岩本の言葉に嘘はなかった。
身体の欠陥を承知で百合と結婚してくれれば、今後全力を挙げて守り立てると約束したとおり、庶務課係長就任後間もなく、社長室を新設し、その室長に木原を据えた。
しかも社長室に、岩本パーティの若手を集めて、社長直属のスタッフとした。
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森村誠一『日蝕の断層』より引用
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浪曲師と呼応しながら即興的に演奏する。
三味線で様々な効果音を表現したり、要所で各人個性的な「合いの手」入れて浪曲師や舞台を守り立てる。
曲師による演奏は、予めきまっている伴奏ではなく、浪曲師の瞬間的なパフォーマンスに対応し、その場その場で旋律を繰り出してゆく。
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颯馬は鍋島直茂の異母弟であり、天城家に養子に出されて軍師として修行していたが、それを終えて龍造寺家に戻ってきた。
鍋島直茂の弟かつ龍造寺隆信の義弟という立場に甘んじることなく主家を守り立てるべく奮闘する。
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