始終心

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  • そして始終心の中に誰れかを立てておかないと気がすまないのである。 矢田津世子『鴻ノ巣女房』より引用
  • 人の所へ通って行くことは始終心にかけながらもおっくうにばかり思えた。 与謝野晶子『源氏物語』より引用
  • が、その声は東京へ来ても、始終心にかかっていた男の声に違いなかった。 芥川竜之介『奇怪な再会』より引用
  • 母上は自分でも分らない不思議な望みと恐れとで始終心をなやましていた。 有島武郎『小さき者へ』より引用
  • で、自分でも始終心にさう思ひ、人にもついそれを訴へたくなる時があります。 南部修太郎『探偵小説の魅力』より引用
  • 始終心の隅に、彼の名と姿がいろいろな想像を加えられて重く横たわっていたのである。 宮本百合子『日は輝けり』より引用
  • ミチ子は自分のそばにいて、そのうち自分よりおくれてくる伊佐のことを始終心にかけていた。 小島信夫『アメリカン・スクール』より引用
  • かたまって肩へ落ちてくる毛、変ってゆく姿を鏡の中で見ている明子は、始終心の隅に、今別れて来た広介のことを追っていた。 佐多稲子『くれない』より引用
  • 不得意な數學の試驗に落第する夢を見て始終心を驚かすが如き、その爲である。 木下杢太郎『少年の死』より引用
  • 会社へ出ていても、静子の病気の始終心にかかっている浅井は、ろくろく仕事も手につかぬほど気分に落着きがなかった。 徳田秋声『爛』より引用
  • 心細い御様子でみずから余命の少ないふうに観じておいでになった八の宮の御事が始終心にかかって、忙しい時が過ぎたならまた宇治をおたずねしようと薫は考えていた。 与謝野晶子『源氏物語』より引用
  • あれきり何とも言ってやらないことは、女の身にとってどんなに苦しいことだろうと中川の女のことがあわれまれて、始終心にかかって苦しいはてに源氏は紀伊守を招いた。 与謝野晶子『源氏物語』より引用
  • わけても源作叔父の事に就いては、始終しよつちゆう心を痛めてゐたもので、酔はぬ顔を見る度、何日いつでも同じ様な繰事くりごとならべては、フフンと叔父に鼻先であしらはれてゐた。 石川啄木『刑余の叔父』より引用