始終家

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  • 私の小い頃に始終家に出入りして居た車夫は、友吉ともきち安兵衛やすべゑの二人でした。 与謝野晶子『私の生ひ立ち』より引用
  • 好きな芝居を見に行っても、始終家のことを気にかけていた。 徳田秋声『足迹』より引用
  • が、始終家を留守にしている彼には、浮気現場をつかまえる機会はない。 桐生操『きれいなお城の怖い話』より引用
  • 大聖堂の楽長が、このささやかな音楽会の指揮をやり、始終家にきた。 ルソー/桑原武夫訳『告白(上)』より引用
  • 妾は始終家を留守にしているけれど、あの子がいて呉れるから万事安心と言うものだわ。 森本薫『華々しき一族』より引用
  • 始終家の人のようにB家に出入りしていた僕は、命ぜられるとすぐ座を立って、廊下からドアーを開けて食堂の方へ出て行った。 有島武郎『生まれ出づる悩み』より引用
  • 現に五代目菊五郎はこの燕車が好きで、始終家へ呼んで弟子と一緒に其の話を聞きます。 談洲楼燕枝 二代『燕枝芸談』より引用
  • 自身の所は人出入りも多く幾人もの子供が始終家の中を騒がしくしているのにれている大将には御殿の中の静かさがことさら身にしむように思われた。 与謝野晶子『源氏物語』より引用
  • 房吉は植木屋の仕事としては、これと云うこともさせられずに日を送って来たが、始終家にばかり引込んで、母親の傍にひきつけられていたので、友達というものもなかった。 徳田秋声『あらくれ』より引用
  • 家政婦の話によりますと、少年はやはり引きつづき健康がすぐれず、始終家の者にやっかいをかけているようでございました。 エミリー・ブロンテ/田中西二郎訳『嵐が丘』より引用
  • けれどもたとい繁華はんかな所にいたって、そう始終しじゅう家を引ッ張ッてッて貰わなければならぬという人はない。 夏目漱石『道楽と職業』より引用
  • 著作家や牧師のやうな始終家しよつちゆううちばかしにくすぶつてゐるのは一番の困り者で、出来る事なら船乗ふなのりや海軍軍人のやうな月の半分か、一年の何分なにぶんの一かを海の上で送つて、滅多にうちへ帰つて来ないのへかたづきたがるといふ事だ。 薄田泣菫『茶話』より引用
  • 五百が早く本丸にり、また藤堂家に投じて、始終家にとおざかっているようになったのは、父の希望があり母の遺志があって出来た事ではあるが、一面には五百自身が牧ととも起臥おきふしすることをこころよからず思って、余所よそへ出て行くことを喜んだためもある。 森鴎外『渋江抽斎』より引用
  • 芝居、料理屋、待合と、どこへでも誘えばつき合うけれど、始終家へ電話をかけて、懇意な客がきてるとすぐに戻ってきた。 豊島与志雄『別れの辞』より引用
  • そして、父が戦場へ行ってしまい、母も手仕事の才能と精力のありったけを軍人援護会に捧げ、始終家を留守にするようになってからは、ほとんど自分ひとりで勉強をつづけていた。 オルコット/恩地三保子訳『若草物語』より引用
  • 偶然のめぐりあわせから、一つ棟の下に住むこととなって、庄左衛門が始終家をあけているとはいうものの、朝夕に顔をあわしている内に、やはり自然は、こうした境遇に起り得ることを、いつの間にか幸の胸に植えつけていた。 大佛次郎『赤穂浪士(上)』より引用
  • それも彼の意思ではなく、「軍人なら海軍に」と希望したところ、親族や家臣の者達から「ご本家のご当主が軍艦に乗って始終家をあけることは望ましくない」と反対され、やむなく陸軍へ入った。 酒井美意子『ある華族の昭和史』より引用