妬ましいよう
8 の例文
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遠くの房にいる良人の来る跫音を聞いているだろう、こんな美婦の良人であるから、良人になる人も容貌の好い男だろうと思った。そう思うと李張は妬ましいような気になって来た。そして、己の行為がばかばかしくなって来た。
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人を慕ってすぐに襲って来る藪蚊の唸り声におびやかされて、綾衣はあわてて渋団扇を手にとった。間違って人に妬まれた我が身が、今はかえって人を妬ましいように思わなければならなかった。綾衣は実にお米と十吉とを妬ましいほどに羨ましく思った。
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私も赤い顔してあわてて御挨拶しようと思いました時に、あなたが武子さまに御挨拶なさったのだと云うことがわかりまして、気まりの悪いような、がっかりしたような気がいたしました。妬ましいような気さえいたしました。そして武子さまからあなたと従兄妹だとお聞きした時、羨ましい気がいたしました。
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体力があるくせに、雑談に専念するために歩いている生徒もいる。涼しい顔をして笑いさざめいている男子を見ると、憎らしいような、妬ましいような複雑な気分になる。「美和子ちゃーん」と声援を送る男子生徒に、にこやかに手を振り返す美和子を見ていると、既に表情を繕うことすら忘れている貴子は、改めて友はスーパーな女だと実感するのだった。
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それで、もし先生が何か特別な発見をされたなら、ぜひともききたいと思いました。いままで私は、いつも先生の研究をお手つだいする習慣になっていましたので、先生がこんどのように私を閉め出して、ひとり研究を進めてゆかれると、なんだか、ちょっと妬ましいような気持でした。
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母の若々しい神々しいほどの美貌が、何となく羨ましかった。母が男性と、殊にあの青年と、自由に交際っているのが、何となく羨ましいように、妬ましいように思われて仕方がなかった。
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それがまた幸いと、即座に話がまとまって、表向きの仲人を拵えるが早いか、その秋の中に婚礼も滞りなくすんでしまったのです。ですから夫婦仲の好かった事は、元より云うまでもないでしょうが、殊に私が可笑しいと同時に妬ましいような気がしたのは、あれほど冷静な学者肌の三浦が、結婚後は近状を報告する手紙の中でも、ほとんど別人のような快活さを示すようになった事でした。
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