好いあんばい

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  • 好いあんばいに、おれも丈夫になったといって、鶴見はひとりで喜んでいる。 蒲原有明『夢は呼び交す』より引用
  • せっかく好いあんばいに顔を見ることが出来たのに、一と口も口をく間もなかった。 近松秋江『霜凍る宵』より引用
  • 好いあんばいと云ふのか、悪いのか知りませんが。 牧野信一『夏ちかきころ』より引用
  • 好いあんばいに店には誰もいなかった。 平井肇『鼻』より引用
  • でも、その後も幾度も僕は友達と伴れ立つて、その辺を歩いたが好いあんばいに法学士には遇はなかつた。 牧野信一『途上日記』より引用
  • 猫の子にさえも、泣顔などは見せたくなかった彼は、好いあんばいに、誰もいず、また来もしなかったのに少しホッとした心持になった。 宮本百合子『日は輝けり』より引用
  • が好いあんばいに夢にも出遇はず、すやすやと美智子さんは眠つて行きました。 牧野信一『目醒時計の憤慨』より引用
  • そのころ柳沢はどっか神楽坂かぐらざかあたりにも好いのが見つかったと思われて、正月はる以来好いあんばいにお宮のことは口にしなくなっていた。 近松秋江『うつり香』より引用
  • 好いあんばいに彼女の母は、黙つてしまつた。 牧野信一『鏡地獄』より引用
  • 好いあんばいに運転手も気がつかなかつたが。 牧野信一『街上スケツチ』より引用
  • すると、その日は好いあんばいに階下したの家主の老婆が内にいたので、私は玄関の上りかまちに腰を掛けながら、老婆と久しぶりの挨拶を交わして、しばらく話していた。 近松秋江『狂乱』より引用
  • 此の時権八は自分の母親が好いあんばいに私をがなりつけるのにりきんで何時いつの間にか、そこの土間にある下駄を振り上げて私に打つてかかつた。 宮地嘉六『ある職工の手記』より引用
  • わずかの小門のひさしだけに身を寄せたのですから、好いあんばいに風は少し向うへ吹いて行く分のこと、はかまの裾や衣服のたもとにはしぶきがしとしととかかります。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 好いあんばいに階下の居間に遊んでゐた豊綱と秀綱と輝綱の三人兄弟は、紙芝居の見物にも出かけなかつたが、いつの間にかぐつすりと昼寝の夢におちて、素畳に頭を転がせたまま大鼾であつた。 牧野信一『真夏の朝のひとゝき』より引用
  • 山崎の話し方が大分に誇張的に走つてゐることゝ、好いあんばいに悉く忘れてゐたところなのに、今新たに山崎の言葉に操られて思はぬ醜態を示してしまつたのが業腹だつたからである。 牧野信一『素書』より引用
  • 前には往々こんなこともあつたが、久しくそんな不健康な夢を見ないで好いあんばいだ、と思つてゐたところが、計らずも今、この夢の女が照子で、それがまた夥しくきわどい光景だつたので、私は恥しさの余り酷い冷汗を覚へたり、堪らない疳癪を起したりした。 牧野信一『妄想患者』より引用
  • と隣室での身じろぎに、折角全治に近い主人あるじに、風邪でもひかしては大變だと思つて、返事もせず、寢たふりをして、凝と耐忍がまんをしてゐると、もう潮時だつたと見えて、好いあんばいに落付いて來た。 長谷川時雨『煎薬』より引用
  • いあんばいに、天人の彫りは無事で、げた箇所ところ波形なみがただけですが、その波形はほりでなくって、みんな、薄い板が組み合せてあるのです。 長谷川時雨『朱絃舎浜子』より引用