奈落の淵

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  • 我々には奈落のふちにたって、むなしく死者を乞い求めることがある。 モーリアック/遠藤周作訳『愛の砂漠』より引用
  • 自己の責任を負ふて立つことが出来ない彼等は指導者の導くがままに奈落の淵にまでも追従せんとするのである。 ゴールドマン・エマ『少数と多数』より引用
  • だから私は、私は、あなたがたがまっさかさまにころがりこもうとしている奈落ならくふちからあなたがたを救いたいんだ。 ドーデ/大久保和郎訳『風車小屋だより』より引用
  • 今、二人は、奈落ならくふちで顔をつき合わせている。 ユゴー/榊原晃三訳『九十三年』より引用
  • 寞寂極まりもない奈落の淵に声ひとつたてることなしにラムプを点して、涯しもない絶望感に游泳する姿だけが、所詮はわたしの与へられた宿命に相違ないと、病体を養ひながら考へるのであるが、ひとたび家族のことに思ひを駆られはじめると、一体自分は何のために何を堪えようとしてゐるのかと疑はしくなるのであつた。 牧野信一『痩身記』より引用
  • 今に至るもカルパシヤの、峯に駒をば打ち立てて、不思議の騎士は底もなき、奈落の淵に亡霊が、あまた一つのしかばねを、噛みくだく有様と、今ひとつなるしかばねが、地中にありて次ぎ次ぎと、成長しつつ堪へ難き、苦痛に我れと我が骨を、噛みつつ大地をどよめかす、その有様を見まもるなり。 平井肇『ディカーニカ近郷夜話 後篇』より引用