太平無事

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  • 但し念のためにお断りしておくが、その実験をやっている吾輩ばかりが、精神に異状の無い、太平無事のデクノ坊だと誤診されては迷惑だよ。 夢野久作『ドグラ・マグラ』より引用
  • 徳川治世三百年間は、大体に於いて太平無事であったが故に、我が人口も必ず大いに増加したであろうとは、何人も手軽に想像しうるところであるが、事実はこれに反して、増殖率の案外低いのには驚かざるをえぬ。 喜田貞吉『特殊部落の人口増殖』より引用
  • さて午後興行に這入った客が太平無事を楽しんでいるうちに、晩の興行に這入ろうとする客が、なるたけ入口に近く地歩を占めようとして、次第次第にむらがって来た。 森鴎外訳『諸国物語(上)』より引用
  • いや、話していないどころか、あたかも蟹は穴の中に、臼は台所の土間どまの隅に、蜂は軒先のきさきの蜂の巣に、卵は籾殻もみがらの箱の中に、太平無事な生涯でも送ったかのようによそおっている。 芥川竜之介『猿蟹合戦』より引用
  • ぢやといつてこの難関なんくわんちぬけ、民心みんしん収攬しうらんし、太平無事たいへいぶじ国家こくか復興ふくこうすることは難事中なんじちう難事なんじだ。 出口王仁三郎『霊界物語 rm 68 20080623』より引用
  • よく晴れた二月の昼下がり、今朝の寒さは忘れてしまったような、南縁の陽溜ひだまりに煙草盆を持ち出して、甲羅こうらを温ためながら、浮世草紙などを読んでいる、太平無事の平次の表情でした。 野村胡堂『銭形平次捕物控 09』より引用
  • しかも、世のなかは太平無事になって、こういう世襲的職業軍人の再就職はむずかしく、〝浪人〟という名のルンペンがちまたにあふれた。 大宅壮一『炎は流れる1 明治と昭和の谷間』より引用
  • あまりに天下が太平無事であるため、しきりに胸中にさわぐ鋭気を抑えるのに苦しんだ挙句、不眠症にかかり、それをなおすべく、多くの戦場を馳駆した老武辺たちを、枕許に呼び寄せ、終夜、いくさ語りをやらせたほどの頼宣であった。 柴田錬三郎『嗚呼 江戸城(下)』より引用