太平無事

28 の用例 (0.00 秒)
  • この太平無事なご時世に、人間の肉饅頭や犬の肉饅頭があるものですか。 施耐庵/駒田信二訳『水滸伝(二)』より引用
  • 私どもは平々凡々なかわりに太平無事な毎日を過ごさせていただいております。 塩田丸男『口下手は損ですか 面白い話をするための12章』より引用
  • 太平無事な江戸時代において、小大名にしても、大名の家がつぶれるということはなかなかの大事件だ。 海音寺潮五郎『赤穂義士』より引用
  • 実際に役に立つものであるかどうか、戦争があれば実験してみてすぐわかるのだが、太平無事の世ですから、ぜったいに実験されることがない。 海音寺潮五郎『史談と史論(上)』より引用
  • けれどちょっと方針を変えてこの場ですぐに改めれば、人々は太平無事で、たとい今までの仕来しきたりがどうあろうとも、わたしどもは今日こんにち特別の改良をすることが出来る。 魯迅『狂人日記』より引用
  • 庚申かのえさるの年に譲位をうけ、国の基をひらいて位にかれてから在位十七年、天下は太平無事であった。 施耐庵/駒田信二訳『水滸伝(一)』より引用
  • こうしておけば、あとで食っても、太平無事であるばかりでなく、無理もないと察してくれる人だってあろうというものだ。 魯迅『阿Q正伝』より引用
  • しかし、それは新子だけの気持で、姉の圭子も妹の美和子も、家の生活の実際を知りもしなければ知ろうともせず、太平無事の日々を過していた。 菊池寛『貞操問答』より引用
  • それから烏は、こうして友の麝香猫を差し迫る危険から救ってやって、ふたたびそのもとにゆき、二人はいっしょに、まったく太平無事に暮らしたのでございました。 佐藤正彰訳『千一夜物語 03』より引用
  • 今日政府は安閑として、太平樂を唱へて、日本は何時までも太平無事で居るやうな心持をして居る。 田中正造『亡国に至るを知らざれば之即ち亡国の儀に付質問』より引用
  • こういう事を全く考えずに、ただ物理学教科書のみによって物理学を学んでいれば事柄は至極簡単で、太平無事であるが、たび書物以外に踏みだして実験をするという事になり、始めてありのままの自然に面するとなると、誠に厄介な事になって来る。 寺田寅彦『物理学実験の教授について』より引用
  • 但し念のためにお断りしておくが、その実験をやっている吾輩ばかりが、精神に異常のない、太平無事のデクノ坊だと誤診されては迷惑だよ。 夢野久作『ドグラ・マグラ』より引用
  • まだ後髪うしろがみをひかれるような未遂行の心残りと、もう自らの手で今までの太平無事な秩序をかき廻してしまって、見当のつかない恥辱の大海に乗り出してしまった不安で、百合人はどうしてよいか分らなくなっていた。 島尾敏雄『出孤島記』より引用
  • 長州は、後に、薩摩さつまと共に維新の原動力になった藩だが、この頃は、まだ、のんびりした太平無事の空気が支配していた。 西村京太郎『天下を狙う』より引用
  • 大体、江戸時代のように太平無事で、あらゆることが碁盤の目のようにキッチリと規制され、それからはずれることは秩序をみだる悪とされている時期には、大名のような境遇にある者は阿呆になりやすかったのだ。 海音寺潮五郎『史談と史論(下)』より引用
  • そこにはしかし、朝の膳へ差し向いになって、寛々かんかんと暖かい味噌汁を啜っている幸七夫婦の太平無事な姿があるだけ、二間以上の板も丸太も見付からなかったのです。 野村胡堂『銭形平次捕物控 09』より引用
  • さて午後興行に這入つた客が太平無事を楽んでゐるうちに、晩の興行に這入らうとする客が、なるたけ入口に近く地歩を占めようとして、次第次第にむらがつて来た。 森林太郎『防火栓』より引用
  • 慶長十九年冬から、あくる元和元年夏にかけて両度にわたる大坂の陣が終わると、四海波静かな太平無事の世となったが、豊家恩顧の諸大名の中でも、芸州広島において四十九万八千余石を領する福島家は、肥後の加藤家と並んで、幕府にとっては目の上のこぶともいうべき存在であった。 滝口康彦『拝領妻始末』より引用
  • 僕らはかういふ四畳半の一間にこの小さい長火鉢を据ゑ、太平無事たいへいぶじに暮らしてゐた。 芥川竜之介『身のまはり』より引用
  • サテ太平無事な天下ではある。 石川啄木『雪中行』より引用
  • 次へ »