大凡そ

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  • 私は大凡おおよそ三十分ぐらいそうして黙ってすわっていました。 谷崎潤一郎『痴人の愛』より引用
  • あの女と角刈りの男とが、どう云う人間だかと云う事も大凡そ見当が附いて居る。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 僕の不思議な生涯について、これだけ云えば後は大凡そ推量してくれるだろう。 谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』より引用
  • 彼の前方へ一直線に走っている、坦々たる街路の突きあたりには、遠く人形町通りが見えていたが、その路の長さは大凡そ二三町もあったであろう。 谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』より引用
  • 後で自然と分って来る時もありましょうし、そうでないまでも彼女の家が千束町にあったこと、十五の歳にカフエエの女給に出されていたこと、そして決して自分の住居を人に知らせようとしなかったことなどを考えれば、大凡おおよそどんな家庭であったかは誰にも想像がつく筈ですから。 谷崎潤一郎『痴人の愛』より引用
  • この土地の広さが大凡そ十エーカーばかりあって、森林を切り開いた、山の中腹にあるのです。 谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』より引用
  • G伯爵がこんな風にして頻りに味覚神経を光らせながら、大凡そ三十分ばかりも軒下に彳んでいた際である。 谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』より引用
  • 外部の様子も実は何となく知っているような気がしていたけれど、よく考えるとただ大凡その方角が呑み込めているばかりで、電車路からどう曲るのだか、何番目のどう云う路次にあるのだか、さっぱり分っていないのである。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • あなたにも大凡おおよそお心当たりがおありでしょうから、どうか其の点は見逃して頂きとうございます。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 顔はハッキリとは分らないけれど、鼻の低い、額の飛び出た、酒に酔ったような赤黒い皮膚を持った、三十歳前後の醜い容貌である事だけは、横から見ても大凡そ想像する事が出来る。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 警官は彼の手に女の片袖が握られていることと、床の上に盃が割れていることと、机の上に注ぎかけの盃のあることによって、大凡おおよそその場の状景を察したが、死体解剖の結果、中毒の徴候は発見されないで、死因は心臓麻痺だとわかった。 小酒井不木『変な恋』より引用
  • 峠を越してしまいさえすれば割り合いに速力は早いのだけれども、いつでも彼は、書き始める迄が大変で、書き始めてから大凡その山が見えるまでが、又恐ろしく日数がかかる。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 児島が殺された時の状況、その後の模様、犯人の心当りなど、新聞では分らないことが遺族に会えば分るかも知れないし、彼等が水野をどう云う眼をもって見ているのか、何の積りで死亡通知状を寄越したのかも、大凡そ推察出来るであろう。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • もちろん出すほどの価値がないからではあろうが、「目下犯人厳探中」とあったその犯人は捕縛されたのか、捕縛されないでも大凡そアタリが附いているのか、殺された原因は意趣らしいか、物取りらしいか、過失らしいか、それらの事情に就いてまるで報道するところがない。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • その後の事件の経過に就いては、精しく書けば殆ど際限はないのだが、ただ極めて簡単に書き記して、あとは大凡そ君の推察に任せて置こう。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 序乍ら大凡そ日本人の独創性と天才性とは、所謂理論を、学説を、思想を新しく発明し工夫し出すところにあるよりも、むしろ単なる理論や学説や思想に過ぎない所のものを、生活其物の、文化其物の真生命にまで霊化して来るところにあるのである。 生田長江『ニイチエ雑観』より引用
  • その後の事件の経過については、精しく書けばほとんど際限はないのだが、たゞ極めて簡単に書き記して、あとは大凡そ君の推察に任せておこう。 谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』より引用
  • が、三十五六になってからはさすがに少し落ち着いて、無茶をするにも大凡そ締めくくりを附けていたし、第一血気の時分のようには体力が続かなかったのだが、それが今度と云う今度は、疲れ切ってしまいながらも、死骸になって大道へ倒れながらも、ほこりに塗れつつずるずる引きずられて行った。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • この表の中の、第一期と第二期については、友田銀蔵に関する方の私の記憶が正確でないが、ほゞ間違いがないとして見ると、明治四十二年以後、大凡そ足かけ四年目毎に、松永儀助が郷里にいる時は友田銀蔵の行くえが分らず、友田銀蔵が東京横浜に現われる時は、松永儀助の行くえが分らないのである。 谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』より引用