夕飯を食べ
170 の用例
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わたしの心臓はとっとっと打った。
わたしはかれらがそのうちの中で夕飯を食べている姿を見ることができた。
ドアと窓は閉じられていたが、窓にはカーテンがなかったから、わたしは中をのぞきこんで、リーズがおばさんのそばにすわっているところを見た。
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マロ・エクトール・アンリ『家なき子』より引用
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母は店で作った料理を運んできて、すぐに階下に引っ込んでしまう。
父がいなくなってからは、妹と差し向かいで夕飯を食べる日々だった。
エミリオの一家は温かく迎えてくれる。
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野沢尚『龍時(リュウジ)01─02』より引用
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もうぼくには貴女抜きの人生はとても考えられないのです。
この手紙を読んで、八回夕飯を食べたら、甥ッ子から電話がある筈です。
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安部譲二『ぼくのムショ修業』より引用
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その日の二度目の出来事にも彼は登場した。
それは夕方で、私は夕飯を食べに出かけるところで彼に出会ったのである。
彼はタクシーでやってきたのだが、運転手に助けられ、スーツケースをたくさん持ってよろめきながらアパートにはいってきた。
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カポーティ/龍口直太郎訳『ティファニーで朝食を』より引用
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あんなことは今まで一度もありませんでした。
夕飯を食べてすぐに眠くなるほど疲れるようなことをしたおぼえもないし。
それに、あの眠気は異常でした。
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今邑彩『少女Aの殺人』より引用
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はいはい、と私は適当に返事をした。
私には結婚三年目の夫がいるのだが、最近家で夕飯を食べることがほとんどない。
残業が続いているせいもあるのだが、仕事が早めに終わってもまっすぐ帰って来ず、毎日のように終電近くまで酒を飲んでいるようだ。
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山本文緒『紙婚式』より引用
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最初のうちは家に寄り、「ちょっと出かけるから」と声をかけてくれたが、そのうちに何もいわずに出かけるようになった。
だから待ちくたびれた挙げ句に冷えた夕飯を食べることが何度か続いた。
私としては、父親よりも先に箸をつけてはいけないという教えを守ろうとしていたのだが、そのうちに父を待たずに食べ始めるようになった。
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東野圭吾『殺人の門』より引用
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日が暮れるとその屋敷の小使が食事を運んで、いつもの通りその次の間まで持って来て置きました。
竜之助は夕飯を食べましたけれども、お銀様は食べませんでした。
夕飯を食べてしまった後の竜之助は、障子をあけてカラカラと格子戸を立てました。
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中里介山『大菩薩峠』より引用
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電話をかけてきたのは、田村さんという、お袋のピアノ学校で経理をやっている四十ぐらいの男の人だった。
家にも幾度か来たことがあったし、お袋と三人で夕飯を食べたこともあった。
田村さんが用があったのは、もちろんお袋のほうだった。
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樋口有介『八月の舟』より引用
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そして食堂に灯がともると、ブラインドにうつっている母親の影法師がほかの部屋へ行ってしまうまで待ちました。
そうすれば、あとは子どもたちだけで夕飯を食べることがわかっていたからです。
私はこっそり窓のそばへ忍びよって、敷居に飛びあがり、前足でしずかに窓ガラスをたたきました。
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ロフティング『ドリトル先生物語07巻 ドリトル先生と月からの使い』より引用
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二人が支度が出来あがつて、外出しようとした時分此方も丁度退出時間だつた。
僕は宿直日であつたが、夕飯を食べに出かけなければならなかつた。
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牧野信一『風媒結婚』より引用
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こんなふうに水遊びをしているとき、あたしたちは紙皿で夕飯を食べていたのよ。
池上永一『レキオス』より引用
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お角の料理してくれた昼飯を食べてから、また海岸へ出かけて、どこで何をしていたのか、夕方になって帰って来ました。
そうして番小屋の炉の傍で、お角の給仕で夕飯を食べながら話をしました。
清吉のことは、もう諦めてしまっているようです。
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中里介山『大菩薩峠』より引用
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戻ると、今度は畳の敷き込みに出かけていく。
夕飯を食べて風呂に入ったらそれだけでもう眠くなってしまう。
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松村栄子『雨にもまけず粗茶一服』より引用
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ま、まあそれはともあれ。
というわけでまあひとまずは夕飯を食べるために、食事処へと向かったのだった。
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五十嵐雄策『乃木坂春香の秘密 第10巻』より引用
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それなら簡単だ。
おれは今夜、芙蓉宮に夕飯を食べに行くから、おまえも一緒に来ればいい。
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茅田砂胡『ポーラの休日 (扉最適化)』より引用
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たゞ吸い寄せられるように、明子は山梨の汽車のつく新宿に、そして広介の新しい対手のいる新宿に、自分も出向いてゆかねばならぬ気持になっていた。
映画館を出ると明子は、この頃行きつけたおでん屋でおそい夕飯を食べた。
汽車を降りた広介がこゝへ御飯を食べに寄らないだろうか。
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佐多稲子『くれない』より引用
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子供たちは家庭で、音楽、本、会話、遊び、そしてチャレンジを与えられるべきなのだ。
父親は家にいて、子供が夕飯を食べているときはいっしょに食卓についているべきだ。
仕事だとうそぶいて、仲間と酒を飲むなど、とんでもない話である。
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ニコル『C・W・ニコルの野性記』より引用
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クラブ活動も思い切りやってみたい。
もしこのままここに残れば、妹と二人だけで夕飯を食べたりの母親代わりは続くのだ。
彼女はこんなふうに言った。
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沖藤典子『転勤族の妻たち』より引用
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青が死にそうになった時だってそうだ。
夕飯を食べていたのに、食べかけたまますぐに駆けつけてくれた。
あの夜のことを耕作は決して忘れてはいない。
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三浦綾子『続泥流地帯 草のうた』より引用