変み
全て
名詞
18 の例文
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この結論のなかでやはり「神国」などは書かれている。ただそこに、犀星においては変り身ということがなかつた。まして変り身の速さということがなかつた。
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そのかわり、そんな自分に腹を立てるのか、ルピック氏が行ってしまうと「さあ二人っ」と叫んで狂気のようににんじんを打擲する。演技者がオーバーなこともあってその変り身の早さ、露骨さにぼくは驚いた。「ものすごいわ」などとつぶやいている女の子の級友もいた。
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もはや伊東家の運命も先きが見えたので、これを兵部にさし出して、一身の取立を頼むためであったろう。不潔で、変り身の早いやつは、いつの時代、どこにもいるものだ。以上のようなことがあったので、用意されていた判決は、全部詮議し直すことになった。
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その奇妙な変り身が、五十島に言わせると、むずかしいのだそうだ。舞台を逃げ廻り、牛に追い廻された闘牛士は、どたん場で猛牛に剣を突き立てる。
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「母上、いかがなされました」 吉亮が声をかけた瞬間、素伝はその無心の状態からさっと防禦の姿勢に身を転じていた。いや、それはただ動作としては顔をこちらに向けたにすぎなかったが、その変り身の凄じさは武芸者が隙を襲われたときに反応する気魄に似ていた。まなじりがきっと締まり、瞳が真正面からこちらを射抜いた。
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それに引きかえ、オランダ特使クークバックルや赤毛のカロンは糸割符商人たちと同じように打算に長じ、抜け目なかった。その変り身の早さも見事というほかなかった。また、事実、上田与志が翻訳する報告書から推しても、彼らが仕組んだヌイツの引渡しは予想以上の効果を及ぼしているようだった。
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愚痴るでもなく誇るでもない、感慨ひとつ洩らさず当然のことのように変身している。その変り身のみごとさは、生れてから二十数年浪人暮しだった安兵衛でも、及びもつかぬものであった。
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私は、苦笑いした。その変り身があまり素早かったからである。フロントの電話から妙子の自宅へと電話を入れた。
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いうならば〈東京市民〉化へのスタートを切ったわけである。きのうまでの佐幕熱はいっぺんに消えて、われもわれもと御一新風に衣替えする変り身の速さは見事というしかなかった。
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定吉は内心気をひきしめた。股平の口の軽さ、変り身の早さは船場でも評判である。秘密を隠しておけない性格、といえば聞えがいいが、本当は人の知らない秘密を第三者にしゃべって一人いい気持ちになるという、一昔前に流行った写真雑誌・スキャンダル週刊誌の編集者みたいなクズである。
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英子は洋服に着替えていた。彼には英子のこうした変り身の早さが好もしかった。言わばこの待ち伏せは、先程の軽い失望を見事に満たしてくれたのだ。
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日本海軍に航空兵力の威力を教えてもらった米海軍は、全力を挙げて戦艦から空母への切換えを図っていた。その変り身の素早さは驚異的であった。日本は自ら戦艦の幻想を吹き飛ばしていながら依然として大艦巨砲主義に固執している。
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彼女がかつてのハンカチOLの後身であると見きわめるまでにしばらく時間がかかった。だがその洗練された装いと化粧の中にまぎれもなくかつてのOLのおもかげを見出したとき、和多田は女の変り身の見事さにまた言葉を奪われてしまった。あのころは美貌ではあったが平凡なOLであった。
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その後、義昭と信長の間が不和になり、合戦沙汰になった時、また逸早く義昭と縁を切って、信長に帰服した。荒木はこんな工合に、変り身の速さで生きつづけて来たわけだが、それはこの時代の小豪族の生きのびる知恵というべきで、非難さるべきではない。それは信長も知っている。
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ただ判っていたほどに身につまされていたとはいい難かった。自然主義的な「私」小説の世界はくすんでいる代りに容易には変り身もきかないし、時勢に調子をあわせることもできなかった。これにくらべれば一見正統的にみえた自意識の劇の方は「短命」で脆弱であった。
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現に坂田は「ロマン」の社員でもないのに争議の渦中に飛び込んで、高田たちと一緒に「シャレディ」作りを手伝っている。置かれている状況がどう変ろうと、変り身早く、何でもいち早く順応して、しかもエンジョイして何とか己れの生き方の一部に組み込んでいってしまうようで、矛盾や戸惑いを見せない。高田は今こうして「シャレディ」の編集長をまかされていながら、どうしてもその椅子に落ちついていられない。
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躑躅が大変みごとになりました。道には川砂を敷きましたし、菫色の小さな貝殻も交じっています。
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