売れるあて

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  • それはきょうじゅうにも売れるあてがあるのだが、売手がきみを知っていて、きみの保証がなけりゃいやだというのさ。 カザノヴァ/田辺貞之助訳『カザノヴァ回想録 第二巻』より引用
  • 松久は、借家の表の間に棚を作り、そこに今まで売れるあてもなく彫ってきた仏像などを並べた。 長尾三郎『魂を彫る 鑿に賭けた大仏師父子の「心の王国」』より引用
  • そういってはわるいのだが、売れるあてのない作品の他に見るべき財物の何一つないSさん方でさえ、このような用心をしなければ生きて行けないのが、ニューヨークという都会なのである。 本田靖春『ニューヨークの日本人』より引用
  • 人気作家、大評論家の住む土地で、無名作家の彼が、売れるあてもない原稿を書いたとて、別段、なにもそれは作品の質や量には関係ないことなのだが、ひどく目標が近いような錯覚があって、なんとなく心理的に励みになるような気がしたのである。 梶山季之『わが鎮魂歌』より引用
  • だがそういう馬琴が気になるのは、絵師で一戸を構える自信もないままに、熱に浮かされたように、来る日も来る日も、売れるあてのない絵を描いていた、昔の自分を思い出させるためかも知れなかった。 藤沢周平『喜多川歌麿女絵草紙』より引用
  • このURの開発再開について、地元からは「売れるあてがないのに、なぜ造成をごり押しするのか」との批判が上がった。
  • 女にしては濶達かつたつな字を書き、文学青年くずれの多い同業中で、珍しく売れるあてもない小説書きつづける義尊に、いくらか敬意を払っていたらしい。 野坂昭如『心中弁天島』より引用
  • 彫るものにしても、父は売れるあてのない〝動的なもの〟の仁王像の小型のものをこつこつと刻んでいたが、武雄は観音像一点ばりで、明けても暮れても観音さまを彫って修業していた。 長尾三郎『魂を彫る 鑿に賭けた大仏師父子の「心の王国」』より引用