壊損
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釈迦仏は蘆芽膝を穿ち、渾も雪嶺に在りし時の如く、観世音は荊棘身に纏い、却って香山を守りし日に似たり。諸天は壊損して、懐中に鳥雀巣を営み、帝釈は欹斜して、口内に蜘蛛《く も》網を結ぶ。頭没き羅漢は、這の法身も也災殃を受け、臂折れし金剛は、神通を有つも如何にして施展せん。
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一点でも怪しい点があったら景時がそれを頼朝に報告しないはずはないのである。少なくとも、義経偽死説は、首が識別出来ないほど腐爛壊損していたろうという仮定の上に立っての推理だが、こちらは景時の義経にたいする憎悪という既定事実の上に立っている推理だ。
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