坂本
全て
名詞
4,970 の用例
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ぼくは彼が安全圏にいたから、坂本を呼んだんじゃないかとおもうんだ。
森村誠一『腐蝕の構造』より引用
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大井の目は、まだ主の来ていない、坂本の席の椅子へと向けられていた。
赤川次郎『告別』より引用
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なかんずく同志の指弾で、その指弾はいうまでもなく須賀子が入獄中の荒畑勝三の事実上の妻であることから発するもので、それは事前に予想されたものであった。
事実彼自身このことを口にして、坂本清馬を叱責し、追放したのである。
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山田風太郎『明治バベルの塔 -山田風太郎明治小説全集12』より引用
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それで喪主の挨拶が終わるとそそくさと焼香を済ませて荒川と早めに抜け出た。
時間があったら明日にでもお宅へお邪魔したいと坂本を通じて伝えてある。
義理は充分に果たしたはずだ。
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高橋克彦『前世の記憶』より引用
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梅香がやさしくしてくれたのは、決して自分をいとおしく思ったからではない。
すべてあの坂本という男からやれと言われたことをやっただけなのか。
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つかこうへい『龍馬伝 野望篇』より引用
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五月二十七日、明智光秀は丹波の亀山城から二里半ほど離れた愛宕山に参籠していた。
ここしばらくは坂本の城よりも、亀山の城に滞在することがふえていた。
光秀は平城である亀山城に五層の天守閣を新たに造り、濠を二重にして堅固な城に作り替えていた。
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茶屋二郎『遠く永い夢(上)-本能寺 信長謀殺の真実-』より引用
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五人は異口同音に云った。
ことがことだけに坂本武兵衛ひとりの判断ではどうしようもなかった。
坂本武兵衛は、この問題を重臣のところへ持ちこんだ。
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新田次郎『武田勝頼(一)』より引用
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交互に勝つからサーブが移動するだけでポイントがなかなか動かない。
先にポイントをとり始めたのが坂本でプレスラはあとから追ってきた。
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山際淳司『スローカーブを、もう一球』より引用
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ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、アルバニアの四方からベオグラード包囲の態勢をとっているというのである。
坂本欧亜局長からその説明を聞いた松岡は別に驚く様子もみせなかった。
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豊田穣『松岡洋右――悲劇の外交官――(下)』より引用
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高知の桂浜は、月の名所で、県人で大町桂月という文人の号も、それから来ている。
この太平洋を見はるかす海岸に立っているのが、銅像の坂本竜馬である。
りりしい眉をして海をにらんでいる。
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戸板康二『新々ちょっといい話』より引用
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九月二十日の夜なかに、下谷坂本の煙草屋次右衛門は何者にか殺された。
その怪しい物音を聞きつけて、近所の者共が駈け付けた頃には、相手はもう姿を隠していた。
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岡本綺堂『半七捕物帳』より引用
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確かに、子供のころ、坂本は自分に不思議な能力があることを知っていた。
雨を降らせたい、と願うと、本当に自分のいる辺りに雨雲を呼び寄せて、降らせることができるのである。
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赤川次郎『告別』より引用
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坂本には潮木の緊張しきって脈打っている心臓の音が聞こえるようだった。
多分、潮木はおれに勝てるかもしれないと思い始めているのだろう。
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山際淳司『スローカーブを、もう一球』より引用
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重砲兵第一連隊と重砲兵第二連隊とへの改編は四十年十月二十三日におこなわれた。
第一連隊が坂本町側の兵舎に、第二連隊が不入斗町側の兵舎にはいった。
両連隊を統轄する重砲兵第一旅団が新設された。
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大江志乃夫『凩の時』より引用
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ホテルの電話交換台を当たったのは、番匠である。
中橋が三階の自室から五階の坂本の部屋を呼んだことは、確かめてある。
客が室内の内線電話を取り上げると、電話中継台のその部屋の呼び出しランプが点滅するので、ごまかしようがない。
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森村誠一『腐蝕の構造』より引用
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坂本がそこまで言うのなら、ウチも言うとおりにしてあげてもいいわ。
別に怖がってるわけでもないし、アキに掴まっていたいってわけでもないんだからね!
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井上堅二『バカとテストと召喚獣 06』より引用
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ありふれたそのような道を、異ってふんで行く力をもっているとも思える坂本であった。
第三者としてきく坂本の、妻に対する気持の表現は何か切実でなかった。
夫の勤めるところだ辛棒してくれと、つれてゆかれることの方が夫婦の生活として肯けた。
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宮本百合子『今朝の雪』より引用
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併し自分は矢張雪駄穿で、小筒も何も持たなかつた。
坂本は庭に出て、今工事を片付けて持口に附いた同心共を見張つてゐた。
そこへ跡部は、相役堀を城代土井大炊頭利位の所へ報告に遣つて置いて、書院から降りて来た。
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森鴎外『大塩平八郎』より引用
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これは大塩の屋敷に出入する猟師清五郎と云ふ者が、火事場に駆け附けて引き返し、同心支配岡翁助に告げたのを、岡が本多に話したのである。
坂本はすぐに城の東裏にゐる同じ組の与力同心に総出仕の用意を命じた。
間もなく遠藤の総出仕の達しが来て、同時に坂本は上屋敷へ呼ばれたのである。
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森鴎外『大塩平八郎』より引用
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大井の言葉には、坂本の妻への思いやりの、かけらも感じられなかった。
赤川次郎『告別』より引用