四十八才
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名詞
18 の例文
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二日後、景虎は六千の兵を率いて、能登を発った。四十八歳の年齢を迎えて、ようやく運命がひらけてきたように思われる。あとは足利義昭、毛利輝元、本願寺顕如との連絡を密にし、信長の軍と興亡の一戦を遂げるだけである。
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せっかく会ったというのに、そんなふうにして時間が過ぎていくこともありました。それはお互いに四十八歳になった今も変わることはありません。景子とはそんなふうにして、つかず離れず、一風変わった友情を育んできたわけですが、私は少なくともそんな景子のことが好きだったし、今も大好きなのです。
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父親は昔気質の年寄りです。あいつが生まれたのは父親が四十八歳のときじゃなかったかな。世代だって違いすぎるし、年齢がいってからやっと授かった息子ですからね。
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毒殺でないとすれば、徳川方が神仏に願をかけ、のろっているのではないかと思われた。四十八歳になった淀君が、そのような感情に巻きこまれるのも当然だった。城の外側から、妖気が流れこんできたかのようだった。
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興した会社がどうにか軌道にのり、ようやく余裕が出てきた昭和四十一年に、やっと建てたそこそこの家である。草平が四十八歳の時で、振り返ってみればもう三十年近く昔のことになる。この家が建った時には、自分が一人前の男に思えたものだった。
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生れて初めて喪服を作った。あまり大きな声でいいたくないのだが、私は四十八歳である。キチンとしたところに勤めるなり、人並みに結婚をするなり、人生の表街道を歩いていれば、冠婚葬祭も自然と多くなり、夏冬の喪服の二枚や三枚あって当り前の年であろう。
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部屋のそとにひかえていて、仲のよさのはげしいようすがきこえたのだから、かなりのものであったにちがいない。四十八歳の劉備は、年の功もあって、色の道にかけても手だれであったろう。武芸好みの二十三歳の処女に、女としての悦びを与える技巧など、とっくに心得ていたのに相違ない。
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あのとき、テレビでは高野千草という女流作家の死を報じていた。まだ四十八歳、書き盛りといっていい若さでの、衝撃的な死であった。報道によれば、高野千草は執筆のため箱根のホテルに滞在中、急死したということだ。
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しかし、家族の中にあっても「ひとり」という意識は子供のころから人一倍強かったような気がする。そんな私が仕事部屋を持って月のうち何日かをそこで過ごす半独立を形の上で果たしたのが四十八歳のときであった。それもお金がないために姉の会社の二階借りという半々独立であるからして、えらそうなことは言えないのである。
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梅毒が体に入ってから病原体が脳に侵入して脳細胞を破壊し始めるまで十年から十五年かかるので、通常は中年になってからの発病が多いのである。そして本能寺の変で、信長が命を失ったのは四十八歳だったのだ。
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明治十七年四十八歳を以て肺を病んで死んだ時まで変ってはいない。つまりは無用人といいながら、社会から逸脱してはいない。
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彼女は山形生まれの山形育ち、この地を動きたくないし、両親とて動けるものではないのだ。父は四十八歳にして病いに倒れ、今は脳軟化症による言語障害がある。もし転勤があったとしても、この両親を連れていくことは出来ないし、さりとて置いていくことは気持ちが許さない。
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智子はそれを眺めて、やれやれというようにため息をついた。「これで出世するわけはないわよね」 荒井はすでに四十八歳になっていた。三十五歳で係長になってから、十三年の間、同じポストに居座っている。
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OLもいたし、新婚早々の若妻というのもいた。北方にはほんとうの年を教えなかったが四十八歳の女とも一夜を共にしたことがある。フランスの女優のアヌーク・エーメにちょっと似た感じの年増で、なかなか魅力と風情があった。
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ユングは当然、放物線のピークである四十歳を、ある意味で人生のピークだと考えていたのだろう。四十八歳の私にはすこし寂しい話だが、しかし世の中にはまったく別な考え方もあることを紹介しておきたい。四十歳がピークという考え方の背景には、おそらく西欧的な「アダルト」という考え方がある。
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その間もそれ以後も、女出入りが絶えないという、文壇では名誉ある噂が、ひとえに彼一人のものになっていた時期もあった。その水島が、四十八歳の時、熱心なフアンと称する若い女性から訴えられた。部屋に連れ込まれ、無理やり裸にされて犯されて、あげくに妊娠させられ、流産した、というものだったが、その女の父親が参議院選挙に当選したばかりの議員だったこともあり、スキャンダルになった。
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先日頭山翁の年齢を若くして四十八歳にしてあげた。翁は大層喜んで、それから誰に遇うても四十八歳だといふといふて居られた。
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