噛みつく
全て
動詞
596 の用例
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ホロは狼の骨を追いかけている時に言った。
いくら自分たちが強くとも、死んでまで相手に噛みつくことはできない。
しかも、修道女カテリーナは、生きているうちに魔女と呼ばれることを甘んじて受け入れたらしいのだ。
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支倉凍砂『狼と香辛料ⅩⅡ』より引用
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ロレンスは笑い、さっさとベッドから立ち上がる。
そのままそこに留まっていては噛みつかれかねないからだ、と演出して。
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支倉凍砂『狼と香辛料Ⅴ』より引用
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念入りに髭をあたった田島は、冷たい水で体をぬぐい、スーツケースから出した藤色の背広に長身を包んだ。
隠れ小屋を出て海に出ると、波は白い歯をむいて岸壁に噛みついていた。
遠くを通る遊覧船のマストにまたたくクリスマスツリーのような燈光が、ただよう霧ににじんでいた。
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大藪春彦『血の罠(v1.0)』より引用
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噛みつかれたくなかったら、わたしといっしょにはいって来てはだめよ。
澁澤龍彦『高丘親王航海記』より引用
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敵の吐く息、鳴らす歯の音がするどく耳を打って聞える。
つい一飛びで、敵はわたしの背中に噛みつきうるほど近くに迫っている。
わたしははやく人家のあるところに出ようとあせっていたが、それがかえって敵の術中に落ちて、ここの草むらと赤土の上、もっとも流血に適した場所にまで追いつめられたぐあいであった。
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石川淳『焼跡のイエス・処女懐胎 他』より引用
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噛みつくようなへンギストの視線を背中で感じながら、カークはいった。
ジェイムズ・ブリッシュ『08 パイリスの魔術師』より引用
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血が幹を赤く染め、腹部を半分斬られた兵は縋っていた枝に噛みついた。
枝は嫌な音を立てながら折れ、噛みついて離れない兵とともに倒れた。
だが息は絶えているのに兵は枝から離れない。
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黒岩重吾『白鳥の王子 ヤマトタケル 1 大和の巻』より引用
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元々皆、千里四方の内で大事なのは若だんなだけなのだ。
病になることなどさせたら、藤兵衛だとて鳴家に足を噛みつかれかねない。
兄や二人が上目遣いになって、若だんなの顔を覗き込んでくる。
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畠中恵『おまけのこ』より引用
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暗い中を狼人間と走り回るなんて!
もし狼人間がみんなをうまく撒いて、誰かに噛みついたらどうなったの?
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ローリング『ハリー・ポッターシリーズ 03 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より引用
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しかし長門が朝比奈さんに噛みついている風景はなかなか想像しにくい。
谷川流『涼宮ハルヒの溜息』より引用
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目を吊りあげ、歯を剥きだしている。
間を詰めたら、斬りかかってこずに噛みつこうとするんじゃないかしら。
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高千穂遙『ダーティペアシリーズ03 ダーティペアの大乱戦』より引用
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ラッキー号が兄貴分のジョン号に義理立てをしておれに噛みついてきた。
井上ひさし『ドン松五郎の生活』より引用
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かうして居る所へ汚い着物を着た十三四の男の子が山桑を摘んで網に入れたのを背負つて登つて來た。
お秋さんの側に寢て居た白犬が其子の足もとへ突然噛みつく樣に見えた。
男の子は泣き出し相になつて自分等の所へ駈けて來た。
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長塚節『炭焼のむすめ』より引用
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この質問は、明らかにベールダーをひどく動揺させたようだった。
「そんなことはあなたの知ったことじゃない」と、噛みつくように言う。
「いかにもそのとおり」ハーディングは愛想よく言った。
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クラーク『渇きの海』より引用
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こうすると、首と首を動かす筋肉とが縁を断ってしまうから、首は自由を失う。
自由を失った首は、もう何処へも噛みつくことができなくなるのだ。
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佐藤垢石『すっぽん』より引用
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浮浪児と、ルンペンとが、ときどき何かいい貰いものでもあるかと覗きに来た。
彼女たちはそれを見ると、噛みつくようにがなりたてて、追っぱらった。
ここは客をつれこんでくるところではない。
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田村泰次郎『肉体の門・肉体の悪魔』より引用
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緊迫感がないよなあ。
おかげで噛みついてやろうと思っていたこっちの気持ちもそがれてしまった。
一色とかいう白ヘビ野郎もいる。
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大野木寛『ラーゼフォン第01巻』より引用
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今兵を向ければ赤松一族は死にもの狂いになって噛みついて来るだろう。
新田次郎『新田義貞(下)』より引用
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カピバラは本来、草食動物だから、基本的に動物を襲うために噛みつくことはない。
しかし、身の危険を感じたときなどは、例外的に噛みつくことはある。
カピバラの占有しているニッチに侵入してきたクモザルが不注意だったのだ。
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小菅正夫『〈旭山動物園〉革命――夢を実現した復活プロジェクト』より引用
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警察官が殉職するよりましだ。
警視庁の警察犬は銃を持っている犯人に噛みつくよう訓練してある。
山荘の中に入れて犯人に噛みつかせろ。
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佐々淳行『連合赤軍「あさま山荘」事件』より引用