呑み込むこと
37 の用例
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シナンが、そう告げた時、アンドレア・グリッティは、自分の内部にも浮かんでいた同じ言葉を、覚悟して呑み込むことができたのである。
夢枕獏『シナン2』より引用
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谷川徹三氏の批評であったかと思うが、三木清なる学者は、優れた独創家というよりも寧ろ優れた解釈家だ、という言葉があって、それが比較的世間に通用している。
もしそうだとすると、凡て新しく現われた支配的な事情を逸早く呑み込むことこそが、三木の本領でなければならぬわけになる。
でその結果だけを見れば、マルクス主義時代にはマルクス主義、西田哲学時代には西田哲学、ということになるのも決して無理ではない。
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戸坂潤『世界の一環としての日本』より引用
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私は、ヨゴは強制により、キャッツアイを呑んだと思います。
つまり、体中に内出血を伴う挫傷があったのは、暴力によってキャッツアイを呑み込むことを強要されたからではないかと考えられます。
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黒川博行『キャッツアイころがった』より引用
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だが、スカイ・レイカーの説明をするりと呑み込むこともできず、小刻みに首を振りながら言いかけた。
川原礫『アクセル・ワールド 03 -夕闇の略奪者-』より引用
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このようにしてブラックホールは成長しながら銀河中心に向かって集まり、互いに合体してさらに成長するといった過程が考えられる。
このようにして、やがては銀河中心の大質量ブラックホールが銀河全体の質量を全て呑み込むことになる。
このような状態に至るまでの時間はおよそ10 30 年程度と見積もられている。
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カネゴンは、目を充血させながら捲したてる。
真剣に諭していることはわかるが、詳しい理由も告げられずに頭ごなしに関わるなと言われても、「はい、わかりました」と呑み込むことはできなかった。
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今野緒雪『マリア様がみてる 34 リトル ホラーズ』より引用
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金剛石の岩石の真中には、番人共が歩き廻っているのが見えた。
その番人共というのは、数知れぬ黒い蛇のことで、棕櫚の木よりも太く大きく、一匹一匹が、きっと水牛でも象でも呑み込むことのできそうな代物だった。
その時は、やつらは自分の窟に戻りはじめていた。
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佐藤正彰訳『千一夜物語 04』より引用
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狂犬病なんてそんなになまやさしいものではない。
声が嗄れ、たべものを呑み込むことが出来なくなる。
それに水を恐れるようになる。
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井上ひさし『ドン松五郎の生活』より引用
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それは、菓子であったが、受け取った時ずっしりと重く手にこたえた加減から、箱が二重になっていて上が菓子、下は山吹色と直ぐと呑み込むことが出来たものだ。
朴庵が狼狽したのも無理はない。
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大佛次郎『赤穂浪士(上)』より引用
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バーニーののどは乾き、唾を呑み込むこともろくにできなかった。
クーパー『(闇の戦い4)樹上の銀(完)』より引用
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選挙人は自分の眼で選んだであらう、つまり、いかなる人物であるかをあらかじめ呑み込むことができたであらうし、自分の選ぶ代議士の大体の観念をつかむこともできたであらうから、いはゆる、あてずつぽうに決めちやふ、といふやうなことはなかつたであらう。
実に、グラーヴ氏の発見なくしては、「普通選挙」なるものは一種の愚弄であると附言して憚らぬ。
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リラダン『殘酷物語』より引用
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青みがかつた牛乳色の水面が上の方にあつて、息が苦しくなつて来ると、何だかその水面が自分の頭の上で渦を巻いてるやうな形に見えた。
そんな時にあせつて手足をもがくと却つて遅くなるので、静かに身体を垂直にして居ると、すぽりと容易く頭が水面を突き抜けるやうな形に浮き上るといふことも、間もなく呑み込むことが出来た。
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中谷宇吉郎『真夏の日本海』より引用
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事実といふものを決して即座には呑み込むことの出来ない私は、彼が已に後姿になつてのち初めて劇しい憎悪に襲はれるのであつたが、すると彼は、、忽ち後姿にも生真面目な恐怖を表はして、しかも尚無関心を装ほひ乍ら、面白さうな足どりで階段を降るのであつた。
坂口安吾『蝉』より引用
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同番組の司会者である内村光良は隔離されたブースで匂いを嗅ぐなり「ションベンだよ、ションベン」と話し、口には入れたものの呑み込むことができなかった。
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少年が化身した竜巻は、あざやかに焔を避けた。
だが焔は『白馬』のたくましい巨体を丸ごと包み込み、呑み込むことには成功した。
そのまま十数秒ほど燃えさかり、すぐに消えていく。
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丈月城『カンピオーネ! 03 はじまりの物語』より引用
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しかし、規制を行ったとしても、こんにゃくゼリーの死亡事故が減るだけで、食品全般による窒息死等の死亡事故が減るわけではないため、消費者庁が、国民に対して、食品をよく噛んで食べることなど、食品事故に対する知識の徹底を疎かにしているという批判もある。
マンナンライフは窒息事故の危険性が指摘された従来の「ポーションタイプ」に対して、砕かずに呑み込むことが困難な「クラッシュタイプ」のこんにゃくゼリーを2008年に開発した。
こちらでの事故は報告されておらず、また消費者庁より特保のお墨付きを得て徐々にシェアを拡大している。
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丸呑み、丸飲みまるごと呑み込むこと。
生物が捕食する場合のほか、土砂、津波、雪崩などの非生物が生物あるいは非生物全体に覆い被さる場合にも、比喩的にこのように表現される。
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