吹く微風

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  • 空は濃い青で、西から絶えまなく吹く微風が白い波頭をなぶっていた。 エディングス『マロリオン物語10 宿命の戦い』より引用
  • おりおり吹く微風の中に、遠くで漁船が円陣を作っている。 石川淳『焼跡のイエス・処女懐胎 他』より引用
  • 丁度暴風雨の来る前に吹く微風のやうに、気味の悪い生あたゝかさを持つた口調だつた。 菊池寛『真珠夫人』より引用
  • そのあいだも、後ろから微風そよかぜが、だんだんかすかになるあのものがなしい歌声を、はこんできました。 キャロル/福島正実訳『不思議の国のアリス』より引用
  • 私は抗議したが、どこ吹く微風そよかぜ、美貌の魔女は何やら鼻歌を歌いながらホテルの玄関へとはいっていく。 田中芳樹『薬師寺涼子の怪奇事件簿08 水妖日にご用心』より引用
  • 朝食をすませたあと、二人の士官はまた船尾高甲板にあがり、陸地から吹く微風のおかげでかなり晴れ間をみせている空の具合を調べ、それから二人の下船準備をするよう水夫長に命じた。 ヴェルヌ/大友徳明訳『地の果ての燈台』より引用
  • 打ちよせる波も、海面を吹く微風も、すべて思い出のたねでないものはなかったろう。 ヴェルヌ/村上啓夫訳『海底二万リーグ(下)』より引用
  • どこか最も高い梢に吹く微風の溜息が、まるで病床から聞こえてくる溜息のように思われ、光に飢えている木の葉の薄緑の色が、飢えた子供の青ざめた顔を思い出させた。 ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書2』より引用
  • アイオロスの塔から吹く微風が、暖かくかぐわしい海の上高くへと軽やかに運び、突如として二人は二つの峰をもつパルナッソス山のゼウスの謁見の場に到着した。 ラヴクラフト全集7『18 「初期作品」 「詩と神々」』より引用
  • 今はちょうど涼しくなり、吹く微風そよかぜも心地よいからな。 佐藤正彰訳『千一夜物語 05』より引用
  • 大洋から吹く微風によって雲が払われ日照が多い。
  • その時、彼等父娘おやこはちらちらと崩れかかる榾火ほだびを取り巻いて、食後のいこいを息ずいていたのであったが、菊枝は野を吹く微風になぶられて、ゆれる絹糸のもつれのような煙を凝視みつめて、悩ましい空想に追いすがるという様子であった。 佐左木俊郎『緑の芽』より引用
  • この村というのは、ベルギーの首府アントワープから一里半ばかり離れたフランダースの一村落で、まわりには麦畑や牧場が広々とつらなっていて、その平野を貫ぬく大きな運河の岸には、ポプラや赤揚樹はんのきの長い並木が、そよそよ吹く微風そよかぜにさえ枝をゆすぶっていました。 ド・ラ・ラメー・マリー・ルイーズ『フランダースの犬』より引用