召使い
全て
名詞
2,682 の用例
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夜明けと共に庭の掃除をし、お庭役の指図で働くのが彼の仕事だった。
この屋敷の家来や召使いの中で一族の秘密を知る者はごくわずかである。
ほとんどの奉公人は当たり前の仕事に従事し、この老僕のこともただの下男と信じて疑わない。
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茅田砂胡『デルフィニア戦記 第06巻 「獅子の胎動」』より引用
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部屋の中の明かりを背負っているので、当綱の姿は黒い影が立っているように見えた。
ほかに家の中に人の気配はなく、当綱は召使いを外に出したらしかった。
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藤沢周平『漆(うるし)の実のみのる国(上)』より引用
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この一ヶ月、研究らしいことは何一つさせてもらっていない。
自分は召使いとして雇われたのではない、と声を大にして訴えたかった。
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定金伸治『ユーフォリ・テクニカ王立技術院物語』より引用
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ヤサントはアンジェリックの小間使いといっしょにこの旅に随行することになっていたのだ。
主人の命令どおり、九時には召使いたちはひとり残らず床についていた。
十時十分前に、出発の準備を終えようとしていた公爵は自動車の警笛を耳にした。
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ルブラン/野内良三訳『ルパンの告白』より引用
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この家ではすべて召使いたちは新館のほうで寝むことになっております。
この本館は私どもの使います部屋ばかりで、このうしろが台所、二階が私どもの寝室になっております。
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ドイル『アベ農園』より引用
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さあさあ、みなさんをお部屋まで、しかとお送り申しあげます。
家のなかが静かにならないことには、その召使いの面倒もみれませんから。
男性のみなさん、まことにすまないが、ご婦人がたに手本を示していただきたい。
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シャーロット・ブロンテ/大井浩二訳『ジェイン・エア(上)』より引用
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私、ここの召使いがあまり正直でないような気がしてならないのです。
ほんとうにあの人たちは信頼できますかしら?
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ストウ/山屋三郎・大久保博訳『アンクル・トムズ・ケビン(下)』より引用
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このあいだに馬車のなかでは事はずっとうまく運んだ。
伯爵夫人は憲兵たちをまるで自分の召使いであるかのように動かしていた。
二百歩ばかりのところに見える小別荘に行って葡萄酒と、特に冷たい水をもらって来てくれと言って憲兵のひとりにエキュ金貨を一枚渡したところだった。
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スタンダール/大久保和郎訳『パルムの僧院(上)』より引用
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そしておりおり躓いたり、転んだりするたびに、先頭に立った蜂屋小市が、手を叩いて嘲笑するのである。
さて、一番あとから追っかけているのはおそらくここの召使いであろう。
四十がらみの、植木屋の着るような法被を着た男であった。
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横溝正史『金田一耕助ファイル07 夜歩く』より引用
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きっとこの家の召使いたちが、朝っぱらから数えさせられたに違いない。
こいつってばほんと、何考えてるんだか。
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谷瑞恵『伯爵と妖精 第08巻 駆け落ちは月夜を待って』より引用
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風呂と夜食が用意されていた。
馬車の後部座席に坐って旅の伴をした召使いがアルベールの世話をした。
前部座席に坐ってやって来たバチスタンは伯爵の世話をすることになっていた。
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アレクサンドル・デュマ/泉田武二訳『モンテ・クリスト伯(4)』より引用
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ジョゼフが姿をあらわしました。
「荷物をパリ・ホテルへ運ばせてくれ」と父は召使いに言いつけました。
それと同時に、自分の部屋へ行って、身支度をととのえました。
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デュマ・フィス/石川登志夫訳『椿姫』より引用
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この者たちはきみの召使いだと思ったんだけど、注意しなければいけないの?
小川一水『風の邦、星の渚 レーズスフェント興亡記』より引用
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わたしはお母さんが死ぬまでは、三人の召使いと一人の少年を使うだけです。
でもそんな事はどうでもいいんで、わたしは貧乏なうまれの紳士のような生活をしているんです。
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シェイクスピア/大山敏子訳『ウィンザーの陽気な女房たち』より引用
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お城の召使いのなかには、労働者の群にくわわるものも出てきました。
けれども、お城の執事は、とても年をとった老人で、お城のかぎをぜんぶあずかっているひとですが、御主人の財産を最後まで守り抜こうと、かたく心にきめていました。
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ロフティング『ドリトル先生物語11巻 ドリトル先生と緑のカナリア』より引用
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門のところで、チャールズ様は危篤でございます、と聞かされていました。
家まで来て玄関を開けてくれた召使いに聞くと、いよいよそれは確かでした。
中へ入ったちょうどその時、階段からもの凄い悲鳴がしたのでわたしたちはぞっとしました。
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イエイツ編/井村君江(編訳)『ケルト妖精物語』より引用
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ほかの者に向かっては、あんなに勿体ぶって、権柄ずくだったこの囚人が、自分たちにはほんとうに善良で、優しかったのだ。
二人は、衛兵というよりは、どちらかといえば、召使いのようにみえた。
ところが、騎士のいる場所からは、女王の姿は見えなかった。
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アレクサンドル・デュマ/鈴木豊訳『赤い館の騎士(下)』より引用
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後で知ったことだが、バルロはこれでもなるべく質素な部屋にナシアスを通したつもりだったらしい。
そこにはすでに立派な風采の召使いが控えていて、慇懃に挨拶してきた。
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茅田砂胡『大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝』より引用
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ということなのだが、この答えを聞いて召使いは今度こそ愕然とした。
次に事態を悟って、たちまち真っ青になった。
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茅田砂胡『大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝』より引用
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宿帳をみると、四人が六十代の老女で、いずれも善光寺門前に住む富商か近在の大百姓の隠居のようであった。
老年ということもあって、一人が一人ずつ召使いの女中を連れている。
その女中達の年齢も四十すぎで、これは長年奉公した褒美に江戸見物のお供を命ぜられたようであった。
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平岩弓枝『御宿かわせみ 23 源太郎の初恋』より引用