口やかましゅう
30 の例文
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早く寝なさい、と口やかましく注意しても聞く年代ではなくなっている。「ええ」 秀子は、静かにドアを閉めた。
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彼は口数の少ない人間だった。ひとあたりがよく、口やかましい妻にも、大勢の家族にも献身的だった。四十代の痩身の男で、禿げた頭の天辺を褐色の薄毛で隠しており、ふだんはやや憂い顔をしている。
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ちょっと強めのコロンをしてほしいといつも口やかましくいうほうです。私はいいんだけども、家に帰ってから母親が変な顔をしたりして困ることがあります。
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ただ、いつの頃からかパラス君が、 「サンジャイのお父さんはうるさいからいやだ」 と言いだしたことが、三浦さんには何となく気になっていた。そんなに口やかましい親父なのかと思っていたのだが、そうではなかった。サンジャイ君の父親は、息子が下のカーストの子供と親しく付き合うのを快く思わず、それを態度で示すようになったのである。
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西本願寺の屯所は人の出入りが多くて休んだ気がしねえ。口やかましいやつらもいるし、何かあったときには引っぱり出される。そこで俺たちは、せんに屯所のあった壬生の郷士の邸に行って、ごろごろしていたんだ。
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主任に見つかったら大変!全くあの主任と来たら五分でも遅れるとガミガミ口やかましいんだから。そのくせ、ちょっと可愛い娘だと、ニヤつくくせに。
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マデューカスは有能な将校だし、テッサ並みの仕事も充分にこなせる知性の持ち主だったが、いわゆる『カリスマ性』はない。口やかましい説教役がいちばん合っているのは本人も周囲もよく分かっている。そしてマデューカス以外の人間で、いまの <ミスリル> を束ねて指揮していける人間となると、なかなかいないのが現状だった。
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それからブルブルッと頭を振ると、まだ濡れている髪を指ですいた。「かえってめちゃめちゃになるじゃないの」彼女は口やかましく言った。「ほら」彼女は立ちあがってかれのうしろに回った。
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手本が終ったところで、二人の教官がつきっきりで、同じ型のSWで、まず弾丸のつめ方や、体の構え方から教え始めた。女三人は姦しいということをきいたけど、この二人はもっと口やかましい。両側から一つ一つ細かく言われ、ボロくそに叱られると、裕子と二人で泣きそうになった。
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もう年だから少しは口やかましい点があるかもしれないけど、根は親切な人なのだ。一体今日は何があったのだ?
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母のたき江には言うに忍びないというところがあった。口やかましいが、女の苦労だけはかけたことのない人だった。女としてあたしほど幸せ者はいない。
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だが女房のおりせの眼には、べつの清兵衛が見えていた。山倉屋に嫁入って来たときから、おりせは夫の口やかましさに泣いた。清兵衛は、食事はおろか家の中の掃除のことまで、がみがみと口を出す男だった。
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彼の妻は、いたるところでわたしにたいする怒りをぶちまけていると知ったが、彼女の憤懣はほとんどわたしにはこたえない。口やかまし屋で通っている女だとわかっているからだ。ディドロはディドロで、モルレ師〔「百科全書」の執筆者〕を仇うちにさしむけた。
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ところが、大西洋のどまん中で行きちがう商船などは、荒波の上で互いに通りすぎながら、まるでブロードウェイですれちがう一対のダンディな男同志みたいに、ひと言のあいさつの言葉さえかけないで通りすぎることがよくある。そしてきっと、相手の装備については口やかましく批評しあっているのだ。軍艦はどうかというと、たまたま海上で出会うと、まず第一に、ばかばかしくも右足をあとに引いて丁寧におじぎをしたり国旗をあげおろししたりするが、率直な心からの好意とか、兄弟らしい愛情などはぜんぜんありそうには見えない。
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彼女は明日にでも上京して来るようなことを書いて寄越した。そうしてそのことのみをその一本の手紙のなかに口やかましく繰返していた。彼自身にとって必要なことは何一つ書いてなかったと言えるほどであった。
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そこは水守も認める妻の魅力だった。それで水守は、口やかましい説教をうまくはぐらかされた格好になった。「じゃあ、行ってくる」 背広を着込み、脇の椅子にのせておいた通勤カバンを取り上げると、水守は玄関へ向かった。
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ここの県長さまは阿片ばかりのんどって、自分の影がこわいような臆病ものだし、県長の軍隊の司令官ときたら、一度も戦争に行ったことがなく、鉄砲の持ちかたさえも知らねえやつでさあ。わしら人民のことなどよりも、吸い物の味ばかり気にしている口やかましい男だ。県長さまが、どんな人間か、護衛兵を見ればわかるだ。
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「おや、おぬしらそこで何をしておる」 家司の声だ。鬼左府の気質を反映して、この老人も口やかましく情の薄い男だった。庭を横切ろうとしていた五、六人は、やはり小弁とおなじく熊手や帚木を肩にかついだ雑色どもだが、家司のわめき声に、これもいっせいに立ちどまった。
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全く彼女の身になったらば口やかましいこの老人の伽をするのも大概ではなかろう。老人の方では眼にも入れたいほど可愛がって、遊芸の事、割烹の事、身だしなみの事、何から何まで研きをかけて、自分が死んだら何処へなりと立派な所へ縁づけられるように丹精をこめているのだけれど、そう云う時代おくれの躾が若い身空の女に取ってどれほどの役に立つであろう。
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この規定に従っていれば、この規定に参画した雑誌では投稿規定を満たしたものとみなされる。実際のところは上位の論文になればなるほど、投稿規定は口やかましくなくなる傾向にある。とはいえ、どのような論文を読むにしても、IMRADの考え方を知っていると、読むうえでよい手がかりを得ることになると考えられている。
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どこかとぼけた、悠々迫らぬところがあって、なかなか見どころのあるようだと思っているんだが、例の強情我慢で、そんなこころはけぶりにも見せぬ。顔さえ見れば眼のかたきにして口やかましくがなりつける。ところで、顎十郎のほうはちゃんとそれを見抜いている。
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口やかましいのは今始まったことじゃありません。
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私の家には兄弟が沢山あったので、兵さんは毎日、私の弟や妹の守をさせられていた。口やかましい私の母は、兵さんを随分怒鳴りつけていたのを、私は覚えている。それでも、決して口答えなぞしなかった。
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というのも、私と夕子の乗った列車は正にトンネルの中にいたからである。ここで口やかましくも言う人がいるかもしれない。トンネルを通り抜けてる時には、うるさくて、こんな会話など交わしていられないはずだ、と。
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細君の方は目が高くて、煙草の葉を選るのにたしかで早い、大事な内職人なので、その方を手離したくないために、役にたたない御亭主も雇っておいてくれる。家でも口やかましい人が外に出ていてくれるのだから、大切に、おがむようにして出してやる。店の方でも細君の方に沢山仕事をさせたいので、機嫌をとっておいてくれるので、それでも三日目位にはあきてしまうのだと言った。
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航一は既に寝ている。いつもあれほど口やかましく言っているのに、枕元のスタンドをつけたままだ。ベストセラーになっている精神医学の入門書が、広げられて枕の横にあった。
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分らないかなア。それにお前は俺だけが口やかましいようにいうけれど、お前だっていいかげんいってるよ。
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偉大な父と口やかましい母親のまえでじっと耐えている高田健一の姿が脳裡にあった。会社でも彼は社員たちの好奇心、反感、嫉妬の重圧にさらされている。
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