取分け

全て 動詞 副詞
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  • それに当年はいつもよりも取分けて見事に咲きました。 岡本綺堂『番町皿屋敷』より引用
  • いつの代にもこの掟が色々の形になって現われて来るが、取分けて彼女の生れた江戸時代にはこの掟がきびしかった。 岡本綺堂『番町皿屋敷』より引用
  • きょうは晦日のお手当を持って来たのであるから、延津弥は取分けて愛想よく彼を迎えた。 岡本綺堂『廿九日の牡丹餅』より引用
  • 取分け藤田は陸軍関連者の多い家柄にあるため軍関係者には知己が多く、また戦後占領軍としてGHQで美術担当に当たった米国人担当者とも友人であったが故に、戦後の戦争協力者としてのリストを作るときの窓口となる等の点などで槍玉にあげられる要素があった。
  • 待つ身の辛さは今に始めぬことであるが、取分とりわけて今此いまこの場合、市郎は待つ身の辛さと侘しさとを染々しみじみ感じた。 岡本綺堂『飛騨の怪談』より引用
  • 今のお菊には取分けて、琴の主の身の上が痛々しく思われた。 岡本綺堂『番町皿屋敷』より引用
  • 殊に『万葉集』巻十四の東歌あずまうたおよび巻二十の防人さきもりの歌において例外が取分け多いのでありますが、私の見る所では、これは東国の言語で、大和その他中央部とは違った田舍の言語であるがためにそういう例外が多いのであるという風に考えられるのであります。 橋本進吉『古代国語の音韻に就いて』より引用
  • 此の黙っているというのは誠に張合の無い困ったことだから、又更に一方は大江の家が儒を以て立っているのだから、家の内のととのわないで、妻を去るに至るの何のということは、よくよくの事でなければ、一家一門に取って取分け世間の非難を被って、非常に不利であることを云いもしたろう。 幸田露伴『連環記』より引用
  • 伏見の饅頭まんじゅう人形などは取分けて面白いと思います。 岡本綺堂『綺堂むかし語り』より引用
  • 右膳は取分け晴れやかな、花の咲いたような顔をした。 幸田露伴『雪たたき』より引用
  • 取分け酷目みじめな目に逢はされたのは、先頭第一に解剖室へ跳込をどりこむでそして打倒ぶツたふれた學生で。 三島霜川『解剖室』より引用
  • 苦手の伯母と差向いの場合に、彼が人質に取られたような寂しい顔をして黙っているのは例の癖であるが、取分けて迷惑らしいその顔色がきょうのお菊の注意をひいた。 岡本綺堂『番町皿屋敷』より引用
  • お勢も今日は取分け気の晴れた面相かおつきで、宛然籠さながらかごを出た小鳥の如くに、言葉は勿論歩風身体あるきぶりからだのこなしにまで何処ともなく活々いきいきとしたところが有ッてさえが見える。 二葉亭四迷『浮雲』より引用
  • 取分けて七兵衛は自分の耳を疑うほどに驚かされた。 岡本綺堂『鼠』より引用
  • きょうは取分けて寒い日であるのに、達者にまかせて老人が早朝から若い者どもと一緒になって立働いた為に、こんな異変をひき起したのであるが、さのみ心配することはない。 岡本綺堂『岡本綺堂伝奇小説集其ノ三 怪かしの鬼談集』より引用
  • 当時私の胸には取分けいろんな感情が湧き立っていたにも拘らず、自分がゆくりなくも足を踏み込んだこの社会は、いたく私の想像力を刺戟した。 プーシキン/中村白葉訳『大尉の娘』より引用
  • そこで別に取分けてある上等のスープの中へ鳥の漉した肉七分に米三分の割合で入れて塩胡椒で味をつけて牛乳を五勺ほど加えてドロドロに煮る。 村井弦斎『食道楽』より引用
  • 殊にそのなかの孫悟空そんごくうは、わたしが申歳さるどしの生まれである因縁から、取分けて寵愛ちょうあいしているわけです。 岡本綺堂『綺堂むかし語り』より引用
  • かれらが兄妹きょうだいであるらしいことも、その顔立ちをみて直ぐに知られたが、取分けて妹は色の白い、まゆの優しい、歯並の揃った美しい娘であるのが私の注意をひいた。 岡本綺堂『深見夫人の死』より引用
  • 取分けて主人の増右衛門はかの与茂四郎から注意されたこともありますので、いよいよ胸を痛めて、早速ひとりの番頭に店の者五、六人を付けて、伊助と一緒に出してやりました。 岡本綺堂『青蛙堂鬼談』より引用
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