取り分け
全て
動詞
副詞
名詞
463 の用例
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あなたの方にばかり向いて、この国は 栄の限を見せています。
世界中があなたの物になっていても、 取り分けて本国をお愛しなさい。
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森鴎外『ファウスト』より引用
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穀類は軟飯から大人と同じ白飯が食べられるようになる。
大人の食事から取り分けたものを食べさせても良いが、基本は薄味にする。
食物アレルギーの発症の危険や、消化能力の発達、免疫の発達などを勘案し、特定の時期まで与えてはいけない、もしくは控えた方が良い食材・食品もある。
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と長女の私の機嫌を取ったりしながら、自分で取皿に取り分けてくれる。
宴席で手をつけなかった口取りや二の膳のものを詰めてくるのだろうが、今考えてもなかなか豪勢なものだった。
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向田邦子『父の詫び状』より引用
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箱の中には大小のスナップや記念の集団写真が乱雑に重なっていた。
石原の兄はそれを畳の上に取り出し、いくつかの写真を取り分けていった。
その箱のものが一番新しそうだった。
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泡坂妻夫『蔭桔梗』より引用
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さなきだに、コロリの噂におびえ切っている折柄、かむろ蛇や幽霊や、忌な噂がそれからそれへと続くので、ここらの町は一種の暗い空気に包まれてしまった。
取り分けて暗い空気のうちに閉じられているのは、関口屋の一家であった。
娘は煩い付き、女房は半病人となっている上に、お由の後始末がまだ完全に解決しなかった。
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岡本綺堂『半七捕物帳』より引用
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見る見る川しもへ押し流されて行った娘は、七、八間のところで旅絵師の手に掴まえられると、水練の巧みらしい彼は、娘を殆ど水のなかから差し上げるようにして、もとの船へ無事に泳いで帰ったので、大勢はおもわず喜びの声をあげた。
取り分けその娘の親らしい老人と供の男とは手を合わせて彼を拝んだ。
船頭は乗合一同にひどくあやまって、ともかく向う岸まで船を送り着けた。
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岡本綺堂『半七捕物帳』より引用
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ただし野球においては早くから英国代表として、欧州野球選手権やWBCなどに統一ナショナルチームを送り出している。
数多くのスポーツを誕生させたイギリスでも取り分け人気なのがサッカーである。
イギリスでサッカーは「フットボール」と呼び、近代的なルールを確立したことから「近代サッカーの母国」と呼ばれ、それぞれの地域に独自のサッカー協会がある。
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小さい頭が嬉しそうに上下する。
ヘラで直接口に運ぶのが本格的だが、やけどを心配して皿に取り分けた。
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神埜明美『ジュリエットと紅茶を ―ようこそ、呪殺屋本舗へ―』より引用
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といって上がり込んだがこの二人は日頃から取り分け仲がよいのであった。
国枝史郎『大鵬のゆくえ』より引用
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教子が秋穂の分にと取り分けてくれた肉塊を、秋穂はつい、口に運んだ。
柴田よしき『ラスト・レース 1986冬物語』より引用
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世界にわずかしかない優しさは、決してあなたのために取り分けられない。
いえ、取り分けられてはならないんです。
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FlyingShine『CROSS†CHANNEL †3 3,「たった一つのもの(大切な人)」』より引用
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刺身なら刺身が大きな器で出て、それを取り分けて食べる。
取り分けて食べるというのが江戸の、一応のやりかただったんだろうと思いますね。
それはむかしから、大きな広間で宴会をするときには、全部一人ひとり別々にお膳が出ますけど、七、八人か十人ぐらいで、くだけた宴会の場合は、盛り込みが多かったらしい。
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池波正太郎/佐藤隆介・編『鬼平料理帳』より引用
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言ったと同時に腰を下ろし、さっさと料理を取り分けて食べはじめる。
茅田砂胡『デルフィニア戦記 第04巻』より引用
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考えてみれば、お初もとっくに食事をとらなくてはならない時刻だった。
水屋のなかに、およしが取り分けて置いてくれたおかずが入っている。
鉄にはかつおぶしで猫まんまをこさえてやり、自分のおかずからも焼き物を分けてやって、台所でひっそり食事をとった。
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宮部みゆき『天狗風 霊験お初捕物控〈二〉』より引用
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私と夫は勝手にしろ、としらん顔をした。
いざ料理が運ばれて来て、私たちは小皿にいろいろ取り分けはじめた。
彼女はエビソバをツルツル啜っている。
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森瑤子『別れ上手』より引用
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イスラエルはヤコブの12人の息子たちから 成っており、それぞれが相続地を配分され た。
しかし、レビ族は祭司として取り分け られたので相続地を受けていない。
実際に 13人なのは、ヤコブの子ヨセフの二人の息 子マナセとエフライムが含まれているから である。
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生まれて初めて見るような、学問書の類が取り分けられていく。
どれもが人を撲殺できそうな厚みと装丁を備えていた。
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三田誠『レンタルマギカ 第01巻 魔法使い、貸します!』より引用
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チャイナ二号がグラスを配って老酒を注いで回ると座は一気に盛り上がり、声も出ない俺とムライを無視して06兄弟が乾杯の声を上げて飲み始めた。
ほどなく焼き上がった餃子を取り分けた白磁の皿が目の前に置かれる。
程よく焼き色のついた半透明の皮の下に、色鮮やかな小海老や小柱などが透けて見える小洒落た餃子が三個ずつ載っていた。
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押井守『Avalon 灰色の貴婦人』より引用
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石焼きビビンバを取り分けながら、久美が心配そうな目でおれを見つめた。
梓がそれに同調する。
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中野順一『セカンド・サイト』より引用
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参詣者がその周りに散って、結びを受けている。
老婆はもの慣れた態度で、紙皿に結びと沢庵を取り分けて二人に渡してくれた。
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泡坂妻夫『斜光』より引用