反面
全て
名詞
5,658 の用例
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会社の幹部や部下、後輩からも信頼されている。
反面その信頼が彼を一つの会社に縛りつける鎖となったともいえる。
休日以外は毎朝六時三十分に起床、七時三十分に家を出て、自転車でI駅へ行き七時四十八分I駅発の通勤快速に乗る。
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森村誠一『花刑』より引用
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そう思った反面、何か檻のようなモノが落ちてきて、ああ、と納得した。
奈須きのこ『Fate/stay night 凛 Unlimited Blade Works TrueEnd Brilliant Years』より引用
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私は自分自身がその戦場に在ったかのような感想さえ抱くに至った。
反面、私だったらとても生き残れなかったであろうという感想もあった。
ノモンハン事件に関する私の知識は、しかし、当時は、感想の程度を超えなかった。
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五味川純平『ノモンハン(上)』より引用
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あのときは海軍の青年将校が行動したのである。
大変なことが起きたという反面、青年将校の行為が英雄的であるような気もした。
桜田門で井伊大老を襲った水戸の浪士たちの行為を壮烈とたたえる考え方に盛田は共感をもっていたのである。
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豊田穣『海兵四号生徒』より引用
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しかしその反面、決してそう言うことにはならないのも手に取るようにわかる。
奈須きのこ『歌月十夜 49 夢限回廊』より引用
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ひっくりかえって真実になる。
あの大嫌いな家をそのまま反面教師にして私はあたらしい家庭をつくった。
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角田光代『空中庭園』より引用
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もし私が彼らといっしょに残って、他の領域へ迷いこまなかったならば、おそらく私は停頓を余儀なくされたことだろう。
しかし、その反面、私は周囲の人たちよりも、あらゆる点で低劣だった。
まるで私という人間は、完全に浄化されずに地獄の火のなかから出てきたかのようであった。
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ミラー/大久保康雄訳『南回帰線(下)』より引用
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天気がいい時などの庭掃除はまるで仕事をさぼっているような気がして、下界で働いていらっしゃる皆様方にはつい申しわけないような気がするくらいだ。
またその反面、道を求めることと庭掃除がどのように関係があるのだろうか?
とふとこんな疑問も浮かぶが、考えないことが禅である以上、考えない、考えない。
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横尾忠則『わが坐禅修行記』より引用
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鏡味桜の両親に、ジュウはそう説明した。
両親は承諾し、ジュウはそれにホッとした反面、胸に痛みも感じていた。
全てを知った今となっても、今回の事件をどう自分の中で整理したらいいのか、まだわからない。
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片山憲太郎『電波的な彼女02』より引用
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こういう会社のやり方が市民たちの間に反撥を起こさせたのは当然であるとしても、正面きってそれを攻撃するものはいなかった。
かれらはナショナリスティックである反面、実利的でもあったのである。
その話を聞いたかれは、仲間の腕白どもを集めて、パチンコ隊を組織した。
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三好徹『チェ・ゲバラ伝』より引用
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江戸へ着くなり、小五郎を訪問した彼の用件とは、実は、藩邸の空気を偵察するように依頼することだった。
すさまじい意志力を発揮する反面では、そんな気の弱いところもある。
松陰という人は、いわば気易く他人に物を頼む。
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古川薫『桂小五郎(上)』より引用
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反面、私のいない間にお嬢さまの周りで厄介ごとが増えたようです。
鈴木大輔『ご愁傷さまニノ宮くん 05』より引用
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みずから跳びこんだ罠から逃げ出すためには避雷針を降りてくるしかないのだから、そこをつかまえればいい。
だがその反面では、家のなかで何をしでかすか、心配の種はつきない。
この心配に駆りたてられて、男はなおも逃げた野獣のあとを追った。
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ポー/安引宏訳『モルグ街の殺人』より引用
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この小説では、二十六日の登城日に詠んだことにしているが、これは描写の複雑さをはぶくためと、十三日作を二十六日作とした方が、物語としてすっきりすると考えたからである。
伝説には作り話の匂いがする反面、事実に合致するものが、数多くある。
同じことは、従来架空の人物とされていた山本勘介の実存についても言える。
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咲村観『上杉謙信人の巻』より引用
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なんとかなりそう、勝手にそう考えていたふしがある。
その反面で、薫は啓一郎が持っていない常識をしっかりと身に帯びている。
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阿刀田高『花の図鑑(下)』より引用
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いよいよ馬鹿な戦争は終る!
という喜びが体中に横溢したが、反面、どうしてこんな戦争を始めたのだ!
という怒り、どうして食い止められなかったのか!
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木村裕主『ムッソリーニを逮捕せよ』より引用
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僕が憶えてきた全てが、僕の持つ物理的精神的価値観を作り上げた。
だからその反面それと全く違った価値観を持つ環境にいるものと戦うはめになる。
社会はその範疇の中に想像された共同幻想だ。
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尾崎豊『普通の愛』より引用
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つまり会社が急成長をとげた反面、社長の顔も知らない社員も出てきたわけだ。
その一年後には社員はさらに増えたから、会社幹部の顔を見たこともない人も大勢いた。
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中川靖造『創造の人生 井深大』より引用
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何も悪いことをしていない人間に対して、非常に傷つけるようなことをしてしまう。
もちろんその人と仲が良かったからだっていう部分も反面ではあるんだけど。
傷つけたくもないし、傷つきたくもないっていう気持ちが、勧善懲悪っていう幼児体験の中にはあったんじゃないかって気がします。
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尾崎豊『堕天使達のレクイエム』より引用
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きっと、世界という最大の生物を殺してしまえるのは人間という種だけでしょうね。
けど人間は種としては優れている反面、一個の生命として考えると弱すぎる。
自分たち以外のあらゆるものを犠牲にしなければ生きていけないなんていう弱さは、絶対的な『悪』に他ならないわ。
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奈須きのこ『月姫 黎明の月(アルクェイド・グッドエンド)』より引用