千鶴子の方

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  • 矢代は千鶴子の方にはあまり視線をむけないように気をつけた。 横光利一『旅愁』より引用
  • 話しながらも塩野はもう何か新しい風景を見つけたものか、写真機を停っているバスや千鶴子の方へ向けていた。 横光利一『旅愁』より引用
  • 見ればこのまま帰ってしまっても義務だけは果したのだと思うと、そのまま黙ってなお一層視線を千鶴子の方へ強めてみた。 横光利一『旅愁』より引用
  • そのとき彼は一寸千鶴子の方を眺めてみたが、千鶴子はにこにこ笑った視線を彼に向けて黙っているきりだった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 静子が太郎の手をひいて千鶴子の方に寄っていった。 壇一雄『リツ子 その愛・その死』より引用
  • 千鶴子の方でもまたそういう素振りを憚らず見せた。 宮本百合子『舗道』より引用
  • 千鶴子の方へは勿論ピエールが迎いに来るから矢代たちと一緒に行くわけにもいかず、二人はそのまま別れて矢代だけ切符を買いにひとり出かけた。 横光利一『旅愁』より引用
  • あの千鶴子の方がはるかに美しかった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 真紀子の方へ片寄りすぎた舟底を、これではならぬと千鶴子の方へ傾け変えた自分だったのに、それも思わずまた傾けすぎている中心の取れぬ不安さに、このようなときこそ母が傍にいてくれたら支柱もぴんと真直ぐに立つことだろうと、久慈は母に代る何物かを想い描こうとするのだった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 矢代はうっすらとぼけ霞んで見える千鶴子の方を向いて訊ねた。 横光利一『旅愁』より引用
  • 矢代は由吉の哀調を帯びた唄を聞いているうちに、何か自分のことを歌われているような切ない胸の響きを覚え、押し流され、溺れて行くような情緒に千鶴子の方を見ることも出来ず、歌詞に抵抗する気持ちがつづいて苦しくなった。 横光利一『旅愁』より引用
  • このように後悔する気持ちが、遽に過ぎ去った船中の思い出をも曳き出し、暫く彼は視線のやり場を失ったが、傍の真紀子にもう気兼ねもなく身体は露わにだんだん千鶴子の方へ膨れ傾いてゆくのだった。 横光利一『旅愁』より引用