千鶴子と自分

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  • しかし、振り返って見ても、よく千鶴子と自分はここまで来たものだと彼は思った。 横光利一『旅愁』より引用
  • 彼は千鶴子と自分との間にもし子供が生れたら何をその子供らがするものだろうかと、まだ父には告げぬ自分の嫁のことなども考えられたりした。 横光利一『旅愁』より引用
  • もし千鶴子と自分とが男女の陥ち入るような事がらに会っていたなら、定めし想いの残る旅の印象はよほどこれで違っていたことだろうと思った。 横光利一『旅愁』より引用
  • 一つはそれも、千鶴子と自分の間に西洋の幻影が燃え尽きず、まだ焔を上げているのが感じられたからでもある。 横光利一『旅愁』より引用
  • たしかに、千鶴子と自分との交遊は事実あったことだったが、それも夢と等しいものだったと、思えば思い得られる自分の国の変化だった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 彼はあんなことが、千鶴子と自分との以後の生活に起ったなら、終生どこを二人の結ぶ心として生きてゆくべきなのか、これは考えれば考えるほど心中根を深めてゆくばかりだった。 横光利一『旅愁』より引用
  • なおまたたといそんなことがあったとしても、この今の彼の感動は、千鶴子と自分の結婚のときに仲人を東野に頼みたいと思わせて、他に適当な人は自分には見当らないとまで彼に思わせて来るのだった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 矢代はこのような千鶴子と自分との結婚に一番難関となっている宗教のことを考えるときは、いつもまた大友宗麟が頭に泛んだりした。 横光利一『旅愁』より引用
  • というより、千鶴子と自分のいる前で、そのような情景を話すつもりになった由吉の気持ちが、彼には呑み込めかねた。 横光利一『旅愁』より引用
  • それも侯爵夫妻の一番知りたい自分たちのことは、千鶴子と自分との秘やかな交渉が、どの程度のところまで進んでいるものか見届けたいことだろうと思うと、二人の間が、すでに実際の結婚以上のものまで済んでいると見られていることも、十中の九までたしかな事だった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 矢代はそういう話を物珍らしく聞いていたが、宇佐美家への自分の日の浅さもまた次第に感じ、これで千鶴子と自分との縁談が整うような日が来たら、塩野の立場も今の自分のような位置に変るのだと思った。 横光利一『旅愁』より引用
  • しかし、また彼は、さっき自分の云いたかったことを邪魔したものは、他ならぬこの千鶴子の神妙にひかえていた姿だったと思うと、見事に自分が遊部から最後の止めを刺されたのも、つまりは、千鶴子と自分のちぐはぐな信仰の揃わぬ結果からだったと思った。 横光利一『旅愁』より引用
  • しかし、一緒のものがさばけた由吉ならともかく、汚れの見えない槙三が千鶴子の連れだと思うと、千鶴子と自分の外国流の親しさなど見せるのも気がねだった。 横光利一『旅愁』より引用
  • そして拷問攻めの道具のようにこんなに数数並べ立てる東野を見て、この人はも早千鶴子と自分の悩みある部分を見透していて、仲人をする以上二人の間の蟠りを、今の間に切開して置きたい暗黙の意志からだろうと、むしろ疑いさえ強く起って来るのだった。 横光利一『旅愁』より引用
  • その千鶴子と自分に、今のうち見るべきその心を正視する恐怖に耐え得せしめようと企てた東野の心底は、これを避けずしっかと感じるべきだと、矢代も肚を据え直した。 横光利一『旅愁』より引用