前途を憂え

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  • 山本五十六大将と同様に、井上は〝日米開戦〟の前途を憂えていたわけである。 草柳大蔵『特攻の思想 大西瀧治郎伝』より引用
  • はじめ土佐の想像を超える田舎ぶりに前途を憂えたが、次第に元親の不思議な人柄とこの土地を愛し、妻としてその覇業を支えていくようになる。
  • それは人に示すためにしるしたものでもなかったが、深い草叢くさむらの中にある名もない民の一人ひとりでも、この国の前途を憂うる小さなこころざしにかけては、あえて人に劣らないとの思いが寄せてある。 島崎藤村『夜明け前』より引用
  • 江戸で遊楽に慣れた怠慢な武士たちよりは遥かによく勉学し、真に国家の前途を憂えていた。 南條範夫『山岡鉄舟(一)』より引用
  • 晩年のウェルズは、人間の利益追求のためにのみ使われる科学の前途を憂えて、ひどく、悲観論者になり、一九四六年八月十三日に、ロンドンのアパートの一室で寂しく息を引きとったのである。 ウェルズ/石川年訳『透明人間』より引用
  • こんな事は民力の発展などは眼中にない愚劣政治家共に話したとて分るまいが、真に国家の前途を憂うる人士は、大いに沈思熟考せねばならぬ問題であろうと思う。 押川春浪『本州横断 癇癪徒歩旅行』より引用
  • 真にわが国家の前途を憂うる者は、戦時におけるドイツ這個しゃこの経営について大いに学ぶべし。 河上肇『貧乏物語』より引用
  • 高山彦九郎の伝記を読むと、皇室の衰微をなげき、国家の前途を憂えて、いつでも、どこへ行っても、泣いてばかりいたようである。 大宅壮一『炎は流れる1 明治と昭和の谷間』より引用
  • しかし、楚国への忠誠心をうしなわず、衰退してゆく祖国の前途を憂えて、汨羅に投身自殺した。 樋口一葉『にごりえ・たけくらべ』より引用
  • これは天平てんぴよう二年十一月、大宰だざいの そち 大伴旅人おおとものたびと大納言だいなごんに任ぜられ、思い出多い任地大宰府を去って都に帰った折り、旅人とは別に海路帰京した従者たちの一人が、不安な旅の前途を憂えて作った歌である。 大岡信『名句歌ごよみ[恋]』より引用
  • そこで屈原は絶望し、自己の不遇と国の前途を憂えつつ「懐沙の賦」を作り、世人に訴えるべく汨羅の淵に身を投じて死んだのである。 豊田穣『松岡洋右――悲劇の外交官――(下)』より引用
  • 日本の前途を憂え、一刻もはやく戦線に馳せ参じて、大君のために散華さんげせんものと、かたく心にきめているような雄々しい、すがすがしい顔をしていた。 田辺聖子『女の長風呂 Ⅰ』より引用
  • このとき、西郷の推挙で兵部大輔・大村益次郎の後任に補されながら、能力不足と自覚して、先に下野していた前原一誠は「宜シク西郷ノ職ヲ復シテ薩長調和ノ実ヲ計ルベシ、然ラザレバ、賢ヲ失フノ議起コラント」という内容の書簡を太政大臣・三条実美に送り、明治政府の前途を憂えた。