刻刻

全て 副詞
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  • 流転が歴史の原型の相なら、この下が刻刻過去になりつつあるその具体だ。 横光利一『旅愁』より引用
  • 運転をする進介の耳に、無線で刻刻と情報が入って来る。 泡坂妻夫『死者の輪舞』より引用
  • 自分にとって故郷はもう東京以外にはなく、そこへ向ってこれで刻刻近づき得られている自分だと思った。 横光利一『旅愁』より引用
  • 霧は刻刻に濃くなり、一キロ先は殆んど見えないほどになつた。 野上豊一郎『大戦脱出記』より引用
  • 船は刻刻として破壊されつつあったから、そんな悠長ゆうちようなひまなんかなかったのである。 ドイル/延原謙訳『ドイル傑作集 クルンバの悲劇』より引用
  • 大きく拡がった海が刻刻に色を変えてゆく後から、追うように灯が港に点いていった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 部屋の戸口には騒ぎを聞き付けた寮生たちが、刻刻に寄って来てかたまって居た。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 彼の膝の上に乗せた骨箱が車の速度で胸に押しつけて来るのを感じ、その変った軽さになった父を思うと、また刻刻その布の白さに漂白されて変ってゆく自分を感じた。 横光利一『旅愁』より引用
  • 私から刻刻過ぎゆくものをこのときほどまだつよく感じたことはない。 横光利一『夜の靴』より引用
  • 私は刻刻に募る不快さに耐えられない苛苛しい気で、外へ出た。 室生犀星『或る少女の死まで』より引用
  • 同じ人でも賦性と、年齢と、境遇と、教育とに由って刻刻に生活の状態が変化する。 与謝野晶子『母性偏重を排す』より引用
  • 小忙しく、いかにも、刻刻と、時の経って行くのを告げ知らせるかのようである。 外村繁『夢幻泡影』より引用
  • 宇宙は、東流の水が最もよく象徴するごとく、刻刻に推移し、過去は刻刻に過去となる。 吉川幸次郎『中国の知恵』より引用
  • それにつれて摩天楼の色も刻刻と変化していく。 高千穂遙『美獣 神々の戦士』より引用
  • そしてその夢の事実になろうとしている時が刻刻にせまっていることも身に感じ、ふと山を仰ぐと、月が東山のふくれた腰の部分に頭を出した。 横光利一『旅愁』より引用
  • 毎朝、勤務に出る妻の乗った電車が、私の視野の中で刻刻小さくなって行くのを見送っていると、妻はこのまま帰って来ないのではないかと、ひどく不安になる。 外村繁『澪標』より引用
  • 「炭坑」の撮影状況は毎日朝夕の新聞の第一面で刻刻と報じられていたから、およそのことは知ることができた。 筒井康隆/横尾忠則『美藝公』より引用
  • 表面鈍感さを装っているとはいえ、内外刻刻の多忙な変化に応じ、ひそかに沈黙のまま色を変えてゆきつつもあるようだ。 横光利一『夜の靴』より引用
  • 矢代は刻刻に充実していく自分の喜びの常でないものを覚えたが、ふとそれがどういう訳ともなく哀感に変っていく細い流れの伴うのも感じ、蟻から下の睡蓮の方に眼を転じた。 横光利一『旅愁』より引用
  • 山頂に漂っている明るさはもう空からかき消え、峡間には刻刻暗さが増して来た。 横光利一『旅愁』より引用
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