別に
全て
副詞
31,846 の例文
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ヘザーレッグは机の上の書類越しに私をじっと見守っていた。かれの最初の言葉は別に私に力をつけてくれるようなものでもなかった。わたし自身もあまりに疲れ過ぎていたので、少しも感動しなかった。
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その日は別に何でもなかった人が、何でもないままに東京に戻って来た。するとだんだん具合がわるくなり、食事がのどにとおらなくなることから始まって変になり、医師にかかった。
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一、本篇もとより日刊新聞の社説欄を埋むるために起草せしものなれば、したがって草し、したがって掲げ再閲の暇あるべきなし。別に一冊となして大方に示さんとの望みは著者はじめよりこれを有せず。しかれども読者諸彦のしばしば書を寄せて過当の奨励をなすもの往々これあるにより厚顔にもここにふたたび印刷職工を煩わせり。
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真暗な外を透し、事故を知ろうとする顔が、窓に重っている。が、別に何事もなかったものと見え、車はまた静かに進行を続け始めた。
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トランクス、スラックス、そしてシャツを、彼は身につけた。布団が入っている押入れとは別に、部屋にはもうひとつ押入れがあった。歩み寄って直子はその襖を開いた。
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遊女屋に大小は禁物で、腰の物はいつも茶屋に預けて来るので、綾衣は一度も外記の刀を見たことはなかった。ここへ来てからも別に気にも止めなかったが、今夜はふと思い出した。
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学校は、やらされねばならない人間のためにある。自分で努力し研究するひとなら、なにも別に学校へ行かなくともよい。とはいうものの、習ったから、自分でやったからといって、大きな違いがあるわけでもない。
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神のように宇宙が自由に出来たらよかったろうに、 そうしたらこんな宇宙は砕きすてたろうに。何でも心のままになる自由な宇宙を 別に新しくつくり出したろうに。
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そこは庭の片隅で、大きい椿が緑の蔭を作っていた。半七はそこらを隈なく見まわしたが、別に眼につくような物もなかった。「親分、妙な写真を見つけましたね」と、三五郎はあるきながら云った。
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次郎左衛門の相方は八橋という若い美しい遊女であった。八橋は彼を好ましい客とも思わなかったが、別に疎略にも扱わなかった。彼はひととおりに遊んで無事に帰った。
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例えば、そこに二人の青年がいる。その二人の青年は違うということは別に観察力がなくてもわかる。しかしどう違うか。
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別にこの間の印象が特に悪かつたといふやうなことはないんです。こんなことを云つてよければ、立派なお嬢さんだと思ひました。
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村長の人間的味ひがそこで物を云ふ。村長は別に高い教育を受けてはゐなかつたが、単に詩人だつたのである。「夢」をもつてゐたのである。
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ところが、これとは別に次のような発見が一八二四年に公表された。
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自分の好きなことをするに気がねがいらなくなったように思われたらしい。それで別にどういうことをするという考えがあるのでもなかった。夜が明けたらこの子はどうなるかと、恐る恐る考えた。
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罪の深さを考へて見れば、あなた方が惡いか、わたしが惡いか、どちらが惡いかわかりません。しかし男を殺さずとも、女を奪ふ事が出來れば、別に不足はない譯です。いや、その時の心もちでは、出來るだけ男を殺さずに、女を奪はうと決心したのです。
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井出夫人は、自分の世界を守ることによつて、なるほどある種の美しさを発揮している。君には、年の若さということゝは別に、君自身の世界というものはない。つまり、すべて未知なるものが君の世界なんだ。
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