切実なる

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  • この自覚を岸田君は切実なる内生の告白として表現しているのである。 和辻哲郎『『劉生画集及芸術観』について』より引用
  • ひとりにしないで欲しい、わたしを見て欲しい、という切実なる内なる声なのである。 森瑤子『恋の放浪者』より引用
  • かくの如き疑いは、子供の姿を見て、一層切実なるものがあることを感ずる。 小川未明『人間否定か社会肯定か』より引用
  • われらには、われらにとって特に興味のある問題、そして特に切実なる要求に基づく問題があるのだ。 丘丘十郎『地球発狂事件』より引用
  • その源を遠く実在の原始より発する、生命の最も深くして切実なる要求である。 倉田百三『愛と認識との出発』より引用
  • 「誰だって嫌になるわ、」と彼女は低い、それだけ切実なる響きを持った声で答えた。 ロレンス/吉田健一訳『息子と恋人 中巻』より引用
  • 私の内部の切実なる動乱は私をただインテレクチュアルな生き方のままに許さなかった。 倉田百三『愛と認識との出発』より引用
  • 信仰は恋慕の心であるといふことはかねて霊界物語その他で示されてゐるが、その恋慕の程度のいかに切実なるものあるかを多くの人は知らない。 出口王仁三郎『三鏡 『水鏡』『月鏡』『玉鏡』 kgm 3 20070907』より引用
  • しこうしてこの習慣の学校は、教授の学校よりも更に有力にして、実効を奏すること極めて切実なるものなり。 福沢諭吉『教育の事』より引用
  • 公らのなすところ、思うところ、言うところ、ついに切実なる社会の活気運に関せず。 夏目漱石『三四郎』より引用
  • できると云う事はちゃんと心得ていながらも、できると云う観念を全く遺失して、単に切実なる感能の印象だけをひとみのなかに受けながら立っていた。 夏目漱石『坑夫』より引用
  • 仏者の迷いだけに、現実にかえった瞬間の沢庵の気持は、一層切実なるものがあったであろう。 吉川英治『随筆 宮本武蔵』より引用
  • 二人の結びつきは「恋愛の遊戯ではなくて、切実なる老後の生活問題である」と仰有る。 坂口安吾『安吾人生案内』より引用
  • けれども、此等の主観句は、切実なるが如くにして切実に響かないのは何故であるか。 斎藤茂吉『万葉秀歌』より引用
  • その私にとって切実なるところに、歴史の中心部はあるのであり、十五銭のライスカレーが、二百円になったという風な見易い時勢の移り変りは、歴史の上辺うわべに過ぎないという考えが書かれている。 小林秀雄『考えるヒント 3』より引用
  • 今や知識と美とを特権階級の独占より奪い返すことはつねに進取的なる民衆の切実なる要求である。 岩波茂雄『読書子に寄す』より引用
  • その夢がついに見果てぬ夢におわるのかというあせりは、どうかすると忠熈の胸をえぐるがごとく切実なるものがある。 横溝正史『金田一耕助ファイル17 仮面舞踏会』より引用
  • 唯一の切実なる欲求を睡眠に置いているセーラーたちは、そのことから見ただけでも、どのくらい彼らが過労し、酷使されているかがわかる。 葉山嘉樹『海に生くる人々』より引用
  • 最後に私は今や蕭殺たる君と僕との友情を昔の熱と誠と愛との尊きにめぐらさんとの切実なる願望をもって、君の利己主義に対して再考を乞わねばならない。 倉田百三『愛と認識との出発』より引用
  • この、ジャーナリズム的印象批評により文学研究が頽廃しつつあり、それには方法的自覚をもって世界の全体像を確立すべきだとする大江氏の危機意識は、批評言語の形骸化を嘆き、「私」の言葉の切実なる回復を介して頽廃化にさからおうとする江藤氏の危機意識と何とはずかしいまでに似ていることだろう。 蓮實重彦『表層批評宣言』より引用
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