切り抜けて来

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  • 今切り抜けて来た波瀾はらんの結果はすでに彼女の気分に働らきかけていた。 夏目漱石『明暗』より引用
  • あれで、道楽の末の苦労なんか、何の苦もなく切り抜けて来たのです。 カー/宇野利泰訳『帽子蒐集狂事件』より引用
  • あんたそれが百人以上の予供たちをまとめて、あの終戦後の東京を切り抜けて来たんだ。 半村良『産霊山秘録 下の巻』より引用
  • これまでだって、何度も危いふちに立たされたが、その都度切り抜けて来た。 赤川次郎『輪舞―恋と死のゲーム』より引用
  • どんな危険な目にあっても、源十郎は、笑いながら、それを切り抜けて来たものだった。 西村京太郎『無明剣、走る』より引用
  • 葉子は二人ふたりの妹をかかえながらこの苦しい境遇を切り抜けて来た。 有島武郎『或る女』より引用
  • あれから幾度か、つらい貧乏を二人して切り抜けて来た。 モーム/田中西二郎訳『ロータス・イーター』より引用
  • 大公がずっと扱いやすくてさもしいラッシよりもモスカ伯爵のほうが好きなのは、彼が軍人で、スペインでは奇襲のただなかを拳銃を手にして切り抜けて来たことが何度もあるからです。 スタンダール/大久保和郎訳『パルムの僧院(上)』より引用
  • このような点から考えると物理実験を授けるべき教員は、教える前に自分で十分にすべての実験を練習し、あらゆる場合に遭遇し、あらゆる困難を切り抜けて来なければならないかという疑問が起る。 寺田寅彦『物理学実験の教授について』より引用
  • 基礎研修のころ、考えればそれだけつらくなるような状況下で、ぼくはしばしばそうすることで、何とか切り抜けて来たのだ。 眉村卓『不定期エスパー1』より引用
  • それでも、生れつき、幸運が味方しているとでもいうのか、不思議にどんなピンチも切り抜けて来た。 赤川次郎『幽霊愛好会』より引用
  • 生きのびた者は、親からのいい伝えや、先輩や仲間から得た知識や、そしてなによりも自分自身の体験によって身についた考えや感覚をもとに、臨機応変の判断をみずから下して、次次に襲いかかって来る困難を、自力で切り抜けて来たのにちがいない。 長部日出『鬼が来た 棟方志功伝(下)』より引用
  • いつも与えられた困難だけを、どうにか切り抜けて来た、所謂いわゆる世の経験家や苦労人は、一見意外に思われるほど発育不全な自己を持ってもいるのである。 小林秀雄『モオツァルト・無常という事』より引用
  • 相当な圧力を覚悟してジュネーブに乗りこんだのであるが、松岡の雄弁と、植民地を持つ大国のあいまいな態度によって、理事会、臨時総会を一応切り抜けて来たことを、彼らは一種の成功と認めたのである。 豊田穣『松岡洋右――悲劇の外交官――(上)』より引用
  • と、自らも情熱に溺れそうになるのを、必死になって耐え、焦り立つ俊吉をなだめすかしては、何回もの危機を切り抜けて来ていた。 梶山季之『わが鎮魂歌』より引用
  • 小さいときから貧乏の味を思い切りなめて、その後も随分苦しかったが、何となく切り抜けて来たよ。 豊田穣『松岡洋右――悲劇の外交官――(下)』より引用
  • 日本人は、如何なる民族をも襲ふところのかの重大な危機を、幾度となく、危機と知らずして切り抜けて来た、云はゞ「無意識的に偉大な」民族なのである。 岸田国士『一国民としての希望』より引用