凡そ人

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  • しかし、やけに蒼い二つの眼だけが、皇帝が凡そ人ならぬことを示している。 九里史生『SAO Web 0406 第八章01』より引用
  • ところがノンビリさんに限つて、凡そ人に成程と思はしめる所がない。 坂口安吾『古都』より引用
  • おおよそ兄弟を憎む者はすなわち人を殺す者なり、おおよそ人を殺す者の、その内に永遠とこしえの生命なきを汝らは知る。 三浦綾子『塩狩峠』より引用
  • 凡そ人その思ふ所を伝へんとするや必ずしも田舎議員の如く怒号する事を要せざるべし。 永井荷風『矢はずぐさ』より引用
  • なぜかと云えば何が凡そ人にとって切実であるべく深刻であるべきかこそ、正に一つの問題であり、又問題の選択如何によって初めて決まることなのであるから。 戸坂潤『イデオロギーの論理学』より引用
  • およそ人とふ者には、人として必ず尽すべき道が有る。 尾崎紅葉『金色夜叉』より引用
  • 足に少し力を入れたるに、図らず空中に飛上り、およそ人の頭ほどの所を次第に前下りに行き、又少し力を入るれば昇ること始めの如し。 柳田国男『遠野物語』より引用
  • 君はなお父母に孝養を尽したいと思っているかも知れないが、吾々夫婦は、今日までの二十四年の間に、凡そ人の親としてけ得る限りの幸福は既に享けた。 池田弥三郎『手紙のたのしみ』より引用
  • 凡そ人の上となりて衆をひきゐるものは、必らず分福の工夫に於て徹底するところ有るもので無ければならぬ。 幸田露伴『努力論』より引用
  • 凡そ人はそれ故に、先ずいかなる地位が己れに最も快適であり、いかなる縁故が彼にとって最も有利であるか、を訊ぬべきではありませぬ。 キェルケゴオル/芳賀檀訳『愛について』より引用
  • 街路の曲り角、並木の下、電柱の横、奥まった扉口、凡そ人が身を寄せ得る処ならどんな処にでもじっと佇んでるような気がした。 豊島与志雄『理想の女』より引用
  • 凡そ人が道義の念に燃え、そしてその事に正しい肯定と喜悦とを感じながらそれを實行に移す時、かくも私の如く臆劫で、そしてその事に、ある羞耻の念すらも感ずるものだらうか? 水野仙子『輝ける朝』より引用
  • 孟子は性善を主張したが、明に動物的本能の性たることを認め而して君子は之を性といはずといつて居る、他の語で云ふと、倫理なり教育なり政治なり、凡そ人の道即ち君子の道を論ずるには動物的本能を措いて道徳的本能を性として立論することを言明したものである。 服部宇之吉『荀子解題』より引用
  • 凡そ人の言をくは、宜しく虚懷きよくわいにして之をむかふべし。 山田済斎『南洲手抄言志録』より引用
  • 宴席に園遊会に凡そ人の集るところに芸者といふもの来らざれば興を催す事あたはざりしは明治年間四十余年を通じての人情なりけり。 永井荷風『桑中喜語』より引用
  • 生きてあるもの、一度は是非死なではかなはず、とりわけ合点の出来さうなものなれども、およそ人、生をおしみ死をにくむ、これ皆思慮分別を離れぬからのことなり。 ベンダサン『日本人とユダヤ人』より引用
  • 生きてあるもの、一度は是非死なではかなはず、とりわけ合點がてんの出來さうなものなれども、凡そ人、生を惜み死を惡む、是皆思慮分別を離れぬからのことなり。 西郷隆盛『遺教』より引用
  • 彼は、「西洋文明の為に東道の主人と為り」「洋学の実利益を明にせんことを謀り、あらん限りの方便をめぐらす其中にも、凡そ人に語るに、物理の原則を以てして自ら悟らしむるより有力なるはなし」と考えていたが、「学問のすゝめ」は科学方法論ではないし、「文明論之概略」は、新文明説入門でもない。 小林秀雄『考えるヒント』より引用
  • 第十二条に、「凡そ人は法の下に平等にして、人種、信条、性別、社会的地位、又は門地に依り政治的、経済的、社会的関係に於て差別をうくることなきこと」と明記されている。 宮本百合子『現実の必要』より引用
  • こんな下手クソな見えすいた口実をつけるぐらゐなら始めからアッサリ武力に訴へて然るべきであらうに、それが出来ずにかういふ泥くさい不手際でかすめとつたといふのは、彼はつまり凡そ人の天下をとるにふさはしくない場違ひ者であつた証拠である。 坂口安吾『家康』より引用