凡そ三十

14 の用例 (0.00 秒)
  • 私は大凡おおよそ三十分ぐらいそうして黙ってすわっていました。 谷崎潤一郎『痴人の愛』より引用
  • 凡そ三十分間毎に、俺は氷嚢の端をつまんで沢へ降らなければならなかつた。 牧野信一『木枯の吹くころ』より引用
  • 一番最初のものは、今からおよそ三十年以前のもので、重明や儀作の生れる二年ほど前の父の手記だった。 甲賀三郎『黄鳥の嘆き』より引用
  • しかも内匠頭は先刻からおよそ三十分ほど待たされている。 大佛次郎『赤穂浪士(上)』より引用
  • 凡そ三十分程鑑賞の沈黙が続いたとき、聴覚の最もよく発達した箕島は戸外にある一種の異様な物音をききました。 小酒井不木『稀有の犯罪』より引用
  • G伯爵がこんな風にして頻りに味覚神経を光らせながら、大凡そ三十分ばかりも軒下に彳んでいた際である。 谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』より引用
  • それから大きな天幕テント張りを故意わざと遠い方にぐるりとまわって、東京駅の見える裏通りへ来ると、そこにはうまやがあって、およそ三十頭位の馬が、共進会見たいに繋いであった。 夢野久作『暗黒公使』より引用
  • 凡そ三十秒乃至は一分毎に、恰も空気枕の栓を抜いた刹那の如き放出音が、敵と味方の堅い唇から、交互に盤面にあたつてゐた。 牧野信一『泉岳寺附近』より引用
  • さて屍を干し乾して凡そ三十日ほどき、その間に親族集りて木を伐り棺を制するなり。 中山太郎『本朝変態葬礼史』より引用
  • そのころ丹波一国を平定した光秀は、信長から武功第一と賞賛され、凡そ三十四万石の大名に成り上がっていたけれど、信長の機嫌を損ずることによって、いつなんどき、佐久間信盛らの二の舞いを踏まぬとは限らないと、考えるにつれて、光秀の前途に対する不安感はつのるばかりであった。 桑田忠親『明智光秀』より引用
  • さて、また夕闇の帷が池のほとりを囲みはじめる頃合になると、あたしは鵞鳥の群を塒へ追ひ込んだ後に、宵闇の層が水の上に接して池の在所が判別しにくくなるまでの凡そ三十分間ばかりの間は、鳥屋とやの扉の蔭に蝙蝠のやうに身を潜めながら鼬の襲来に警備の構へを保たなければならなかつた。 牧野信一『鵞鳥の家』より引用
  • 余は胸の中に工風をたたみ、先ず此の住者の足の鎖を解いて遣ろうと、衣嚢から例の小刀を取り出して、其の中の錐や旋抜きなどを、鎖に附けて有る錠前に当て、智恵の限りを盡して見たが凡そ三十分の余に及んで到頭錠前を外して了った。 黒岩涙香『幽霊塔』より引用
  • 長短およそ三十篇、格調高雅、意趣卓逸、一読して作者の才の非凡を思わせるものばかりである。 中島敦『山月記』より引用
  • 長短凡そ三十篇、格調高雅、意趣卓逸、一讀して作者の才の非凡を思はせるものばかりである。 中島敦『山月記』より引用