冴え返
全て
動詞
5 の用例
(0.00 秒)
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枯淡でも偏らない趣き。
また朝の日に冴え返つた竹の影の、寂びながら、淋しくない美しさは、一年生の西洋草花の持たない深い美しさだ。
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竹久夢二『砂がき』より引用
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声は暫らく止んだ。
静寂は以前に増し、冴え返つて張りきつてゐる。
この山の峰つゞきに見えるのは、南に幾重ともなく重つた葛城の峰々である。
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折口信夫『死者の書』より引用
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彼女が、いくら眠らうとあせつても、意識は冴え返つて、先刻の恐ろしい情景が、頭の中で幾度も幾度も、繰り返された。
青年の凄いほど、緊張した顔が、彼女の頭の中を、巴のやうに馳け廻つた。
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菊池寛『真珠夫人』より引用
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聲は、暫らく止んだ。
靜寂は以前に増し、冴え返つて張りきつてゐる。
この山の峰つゞきに見えるのは、南に幾重ともなく重つた、葛城の峰々である。
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折口信夫『死者の書』より引用
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庭の梅の雪とこぼるゝ辺に耳珍しくも藪鶯の初音が響く。
然しまだ冴え返える日が多い。
三月もまだ中々寒い月である。
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徳冨蘆花『みみずのたはこと』より引用