冴え返る

全て 動詞
11 の用例 (0.00 秒)
  • その地上の雪に響いて、鼓の音は冴え返るのであった。 国枝史郎『名人地獄』より引用
  • え返るあい色の空の下、私は彼女を求めて走っている。 森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』より引用
  • 「血を吐けば現も夢も冴え返る」の句を残し生涯を閉じた。
  • 彼等は近代の文化人とはあまりに知性がえ返るその寂しさと、退屈をいつも事務か娯楽で紛らしてゐなければならないといふことを十分承知して、そして実際それをやつてゐるほどの文化人だつた。 岡本かの子『夏の夜の夢』より引用
  • 女連れの客が立った後には、硝子の花瓶にさしたの花ばかりが、冴え返る食堂車の中にかすかな匂を漂わせている。 芥川竜之介『西郷隆盛』より引用
  • 一面にえ返る月の色のほう六尺のなかに、会釈えしゃくもなく緑青ろくしょうを使って、柔婉なよやかなる茎を乱るるばかりにいた。 夏目漱石『虞美人草』より引用
  • 然し周平は、酒を飲めば呑気になるどころか、益々気分が冴え返るのであった。 豊島与志雄『反抗』より引用
  • 中央に冴え返る月が、こころもち東へ傾いて、遠街を流す按摩の笛が細く尾を引いて消える。 林不忘『丹下左膳』より引用
  • 髪の毛をクシャクシャにしたまま、青白い、冴え返るほどスゴイ表情をして、両手を高々と胸の上に組んで、私をジイと睨み付けているのであったが、その近眼らしい眩しそうな眼付きを見ると、発狂しているのではないらしい。 夢野久作『一足お先に』より引用
  • 切れの長い目はさっと冴え返る。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • しんしんと冴え返る夜に、これらの不吉な叫び声が、時にはかなり永い間、家々の上空を旋回し続けるのが聞えることがある。 サンド/宮崎嶺雄訳『魔の沼』より引用