冴えわたっている

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  • 肉体を裏切って、私の中にある神経のすべてが、冷たくえわたっていた。 小池真理子『狂王の庭』より引用
  • 私自身は、そんなときには、いつも、頭のすみずみまでえわたっていた。 ミラー/大久保康雄訳『南回帰線(上)』より引用
  • 僕は三日月型に身体を曲げて固くなっているのに、目は爛々らんらんえわたっていた。 池上永一『あたしのマブイ見ませんでしたか』より引用
  • けれど、それからも僕の目は冴えわたっていた。 尾崎豊『黄昏ゆく街で』より引用
  • 身体は疲れているのに、頭がえわたっていた。 牧野修『スイート・リトル・ベイビー』より引用
  • かえって頭は異様に冴えわたっていた。 長尾三郎『生き仏になった落ちこぼれ』より引用
  • 癌の細胞は脳までは冒しておらず、それどころか母の意識はこのところ冴えわたっているのである。 林真理子『初夜』より引用
  • 頭の中は、不思議なほどに冴えわたっている。 今野緒雪『マリア様がみてる 24 仮面のアクトレス』より引用
  • この日は、不思議なくらい勝負勘がえわたっていた。 貴志祐介『硝子のハンマー』より引用
  • 月の光は今や湖のごとく冴えわたっていた。 光瀬龍『寛永無明剣』より引用
  • まだ真夏を過ぎたばかりだというのに、奈須香のもりはひんやりとえわたっていた。 荒俣宏『帝都物語6』より引用
  • その夜は、まるで蛇の牙にかみつかれたかのように、身を刺すほどに明かるく冴えわたっていた。 ビアス『ビアス怪異譚(1)』より引用
  • 威嚇的に剣を振りまわし、深い雪の中を進みだしたとき、ガリオンの頭は冴えわたっていた。 エディングス『マロリオン物語09 ケルの女予言者』より引用
  • 普段なら睡魔を引きずって帰る道のりだが、まばたきを必要としないほどえわたっていた。 野沢尚『龍時(リュウジ)01─02』より引用
  • 冷や酒はだんだんに利いて、勢いよく血管を鳴らしていたが、歌麿の頭は奇妙に冴えわたっていた。 藤沢周平『喜多川歌麿女絵草紙』より引用
  • ライトの明かりを受け、闇に向かって反射する七色の光は、月光のように冷たくえわたっていた。 貴志祐介『硝子のハンマー』より引用
  • だが、そいつはついに形をとらず、風の音はいつか遠ざかり、あとには、かすかなもやのような霧のなごりと、遠く、ざわざわなる森の音がのこっているばかりで、ただ二つの月の光ばかりが、皓々こうこうえわたっていた。 小松左京『神への長い道』より引用
  • 声楽と器楽にはいすれも神懸り的な筆致が冴えわたっている。
  • 意識も、情感も、知性も、人並以上に冴えわたっているのに、五体が絶対にスローテンポでしか動かせぬようになったひとりの青年の表情に、さっと赤味が走り、彼は鬱屈したいいようのない屈辱に顔をひきゆがめる。 石牟礼道子『苦海浄土』より引用
  • それから百五十年の後に、兄が国際外科学会に認められ、アメリカ合衆国シカゴ市内にある「栄誉会館」に、その遺品と共に於継と加恵が協力して人体実験に身をささげた有様を描き出した日本画の大額が華々はなばなしく壁にかけられることなど、最後まで意識のえわたっていた小陸にも見通せなかっただろう。 有吉佐和子『華岡青洲の妻』より引用