冴えかえり

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  • と私は瞬間に神経をえかえらせた。 夢野久作『怪夢』より引用
  • 俊一郎の大体の目論見は分ったものの、まだまだ残されたいくつかの疑問点が彼の目を冴えかえらせたのである。 森村誠一『大都会』より引用
  • 頭は一時はっきりと冴えかえりました。 小酒井不木『人工心臓』より引用
  • 体の酔った芯が冴えかえり、底冷えした部屋のなかの寝床で、私は昨夜の記憶をたぐりだした。 藤原晋爾『秋津温泉』より引用
  • 膚はみがきあげた象牙のように冴えかえり、女にしてはととのいすぎた冷い面ざし。 久生十蘭『顎十郎捕物帳』より引用
  • そうして御主人に内証で買われたスバラシク派手な着物とか、帯とか、上等の装身具なんどのうちの一つか二つかをこれ見よがしに身に着けて、やはり無技巧の技巧を冴えかえらせながら、無言のまま、ニコニコと御主人の前に出て、美味しいお茶を入れられるのでした。 夢野久作『奥様探偵術』より引用
  • えかえり風光るという形容そのままに、晩秋の陽のふりそそぐ、白樺しらかば林の中のまことに美しい田舎飛行場であった。 阿川弘之『南蛮阿房列車』より引用
  • 紺青の空は冴えかえり、寒さが爽快だった。 泡坂妻夫『死者の輪舞』より引用
  • 西の方には木曾御嶽が、緩斜の裾を引いて、腰以下を雲の波で洗わせている、乗鞍岳は、純藍色に冴えかえり、その白銀の筋は、たった今落ちたばかりの、新雪ででもあるかのように、釉薬つやぐすりをかけた色をして、鮮やかに光っている。 小島烏水『白峰山脈縦断記』より引用
  • 弦返りの音も冴えかえり、当たった時には赤旗が揚がる。 国枝史郎『八ヶ嶽の魔神』より引用
  • 眠ろうとあせればあせるほど、意地悪く頭は冴えかえり、冴えかえった頭のなかを、走馬灯のようにかけめぐるのは、めまぐるしかったその日いちにちの出来事だった。 横溝正史『金田一耕助ファイル01 八つ墓村』より引用
  • 月はいよいよ物凄く冴えかえり、すさまじい死屍の上にも、失意の検察官の上に、石ころにも雑草にも、万物平等に冷凉たる光を投げかけるのである。 久生十蘭『魔都』より引用