共白髪
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名詞
16 の例文
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また派出な人気だけの「芸」って奴は、浮気女の駄ふんばりアマだ。だから酒の相手にはこの上なしだが、共白髪までと打ち込んでいけるものはまったく欠けている。いいかね、そこで、だ。
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この老夫婦ほど仲睦まじい人たちは、珍しい。二人は、自分たちに捧げられた運命を心静かに迎えて、文字どおり共白髪まで何十年とはなれずに過ごして来た生活を、急に江戸と京都とに分けた。別れたら最早二度とこの世で会うことが出来ないのも承知で、妻は夫を送り、夫は妻を残して勇ましく東路を下って来たのである。
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これは人情の自然、まことに止むを得ないところで、エイ子にはビー子とシー子の存在を秘密にして偕老同穴を誓っている。ビー子にはエイ子とシー子の事に就いて口を拭うて共白髪を誓う。シー子の前では又、お前こそ俺のいの一番のシー子さんだと言明する。
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その愛が続くかどうかは、賭だ。老いて共白髪になるまで添いとげるか、一年で破綻がくるか、始まったばかりの時点では本人同士だって想像がつかない。にもかかわらず、愛したいと思うし、愛されたいと思う。
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麻は婚礼にもつかって、共白髪などといって、縁起を祝うめでたいものだ。
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「どうもこのたびは遠いところをありがとうございます」 そのとき一蔵伯父の妻に声をかけられた。共白髪というが、本当に一蔵伯父と同じように真っ白な髪をした伯母は、疲れの滲んだ顔で、弔問客の一人一人に、挨拶して回っていた。
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じゃ、こっちの有信亭の共白髪のほうがオツでさあね。
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そこで、蝶子、ここは一番芝居を打つこっちゃ。別れた、女も別れる言うてますと巧く親父を欺して貰うだけのものは貰たら、あとは廃嫡でも灰神楽でも、その金で気楽な商売でもやって二人末永う共白髪まで暮そうやないか。いつまでもお前にヤトナさせとくのも可哀想や。
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そのうち、半年か一年たって、喪が明けたなら、だんなが公然ともらえばいい。これが末長い夫婦で、共白髪。
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そこでピエトロの親戚たちが、彼のしたことで非常に腹を立てているのを見て、彼らのあいだを仲よくさせました。ピエトロは妻のアニョレッラと一緒に、共白髪になるまでしごく平穏に、たのしく暮らしたのでございます。
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アルバムを見せてもらったが、八十八歳の新郎は黒の紋付きに威儀を正し、七十四歳の新婦は恥じらいを含んでうつむいている。司婚者が読みあげる敬白文には、夫婦の約束を結び、幾久しく共白髪の契りを誓う、と書いてあるが、白髪はすでに生えてしまっているし、先行き、そう幾久しくは生きられないではないか。このへん、文案にもう一工夫あってしかるべきだと思う。
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然しお上人さまがよう言わるる此の世のさまは、生者必滅、会者定離。たとえ表向き夫婦となって、共白髪まで添い遂げようとしても、無常の風に誘わるれば、たちまちあの世と此の世の距て。訣れとなるのは遅い早いの違いだけだ。
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また御子息を亡くされたことを心から悼まれて、親とも仰ぐ高貴なお方の娘になれなんだ御不運を悔まれ、お二方がこの末ともに睦じう、共白髪までめでたく暮らされることをひたすらに祈っておられまする。そこで、この上いつまでも御厄介になってもおられぬによって、父君の消息が知れるまで、このお寺に身を寄せることを御承引ありたい。
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共白髪が遠ざかっていく。やがて自分の病室にたどり着くと、その前に亜希子さんが立っていた。
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国語の授業で習ったんだよな。ええと、そうだ、共白髪だ。いっしょに生きて、いっしょに老いて、いっしょに白い頭になって。
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