全裸
全て
名詞
2,306 の用例
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たちまち私の空想はすぐ目の前に全裸になった伯爵夫人を見るのでした。
夫人は白い裸身に髪をふりみだし、もうひとりの女の腕にだきしめられて、喘ぎ狂って、身も心もとろけたようになりながら、しかもついに最後の満足のない悦楽に身もだえするのです。
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ミュッセ/山本泰三訳『ガミアニ夫人』より引用
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なぜならば、全裸の人間は、全裸のままでいることが善だという発想のなかにいるからである。
個定的な善の価値のなかで全裸になっているのにすぎないからである。
そのため、この人間は一個の物体になってしまっている。
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酒井健『バタイユ入門』より引用
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ロミは、同意を求めるように、田島の顔をのぞき込んだ。
自分が全裸になっていることなど忘れてしまっているような顔をしている。
田島は、彼女の子どもっぽさに好意を感じはじめていた。
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西村京太郎『21世紀のブルース』より引用
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私はそれすら、喜んで彼に明け渡すだろう。
私達は全裸になって抱き合っただけで、もう完全にその気になっている。
街中や川べりで見た、接吻だけで満たされることの猥褻さと清らかさも羨ましくはあるけれど、やはり私達は互いの中に自分を容れたいのだ。
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岩井志麻子『楽園(ラック・ヴィエン)』より引用
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暑いのか、寒いのか分らない。
二人の男と女が全裸で動かぬままいる状態が奇妙に荒涼とした感じだった。
やはりポール・デルヴォーの光景に似ている。
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池田満寿夫『尻出し天使』より引用
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そのベベであるが、蝋人形館では青い桟の窓の向こうにいた。
全裸の前を白いバスタオルで隠して首をちょっとかたむけて立っている。
照明はついているが、ベベ人形はゆっくりと回転するので、回転してきて、ほんの一瞬だけ観客に背中とお尻を向け、後はふたたび暗い。
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姫野カオルコ『初体験物語』より引用
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下半身をむき出しにした男と、三人の男たちの間で格闘が始まった。
一人の男が全裸の女を車から連れ出し、髪をつかんで引きずっていった。
ズボンと下着を着けていない男は、あっけなくバットで殴り倒された。
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勝目梓『炎』より引用
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最初に右の扉を開けた時私はダリ的な光景を見たのである。
一人の女が全裸で机の前の椅子に背を向けたまま腰掛けていたのだ。
一瞬、息をのむくらい神秘的な美しさに打たれた。
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池田満寿夫『尻出し天使』より引用
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止める暇もなかった。
これまたあっという間に全裸になって国王は泉に飛びこんだものである。
男たちはあっけにとられてその様子を見守った。
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茅田砂胡『デルフィニア戦記 第03巻 「白亜宮の陰影」』より引用
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ホテルを出てメシを食いに行ったところから、本格的な欲情が始まった。
服を着ている彼女と全裸の彼女の記憶の間には妄想の隙がいっぱいだ。
服を来たことでようやっと安藤紫という人間を把握できるようになってきたことも関係しているかもしれない。
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松沢呉一『エロ街道をゆく ――横町の性科学』より引用
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ここで全裸になって、あたしへの謝罪の気持ちを肉体を使って表現するの。
松野秋鳴『えむえむっ! 第01巻』より引用
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また無人島で全裸で暮らしている老人男性がいるとの情報があり、レポーターとして山本恵美がその無人島に向かった。
その男性に諭された山本が最後に砂浜で全裸になってしまったこともある。
このほか、「レギュラー全員で、人間パラボラアンテナをつくってBS放送を見よう」という『プロジェクトX』に類似した演出を取り入れた企画も行われた。
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宿舎に戻ったリウイは汚れた服を脱ぎ、全裸になって傷の具合を調べた。
切り傷もあれば、擦り傷もある。
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水野良『魔法戦士リウイ 第01巻』より引用
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シャワーのノズルから水が滴り落ちて、顔を打ったのだ。
浴槽の中に全裸のまま倒れている自分に気づくまで、しばらくかかった。
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赤川次郎『ひまつぶしの殺人』より引用
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男はベッドのすみで丸くなっている毛布を足の指でひっぱりあげ、シーツの端をつかんで顔を隠し膝を胸につけてうずくまった。
眠っているあいだにトランクスを脱いでしまったのだろう、全裸だった。
じわじわと爪先から這い上がってくる尿意に堪えられず上体を起こしてふらつく脚を踏み出した。
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柳美里『タイル』より引用
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さっき言ったと思いますけど、金城さんは全裸で死んでいたんですよ。
居間にはトマトのスライスと飲みかけのウイスキー。
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牧野修『スイート・リトル・ベイビー』より引用
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それらは攻防の邪魔になる。
本来なら、全裸でもいいのだが、皇帝の前では礼儀として腰だけを隠す。
ザックスはホールの中央に立っていた。
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高千穂遙『クラッシャージョウシリーズ10 ダイロンの聖少女』より引用
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それから、かれは気づいた。
全裸の印象は、彼女がまったく無毛であるという事実から来るのだ。
カークに見える範囲内では、その唯一の例外は彼女の黒い、デリケートな眉と睫毛だけだった。
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ロッデンベリイ『スター・トレック』より引用
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部屋の中にいくつもの鉄の檻を並べて、その中で何人もの裸の女たちを飼育したら、どんなだろう?
鎖に繋いだ全裸の女を連れて、庭を散歩したら、いったいどんなだろう?
それらの空想は年月の経過とともに、より過激で、より淫らなものになっていった。
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大石圭『飼育する男』より引用
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ヘッドボード、浴室のドア、至る所に鏡がある。
彼は洗面所のドアに貼られた鏡の前で全裸になってから、制服を着た。
それから私を抱いた。
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岩井志麻子『恋愛詐欺師』より引用