元来この主人
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我儘で思い出したからちょっと吾輩の家の主人がこの我儘で失敗した話をしよう。
元来この主人は何といって人に勝れて出来る事もないが、何にでもよく手を出したがる。
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夏目漱石『吾輩は猫である』より引用
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わがままで思い出したからちょっと吾輩の家の主人がこのわがままで失敗した話をしよう。
元来この主人はなんといって人にすぐれてできることもないが、なんにでもよく手を出したがる。
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夏目漱石『吾輩は猫である』より引用
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実を云うと吾輩もこれは洗湯の逆上がまださめないためだろうと思ったくらいだ。
元来この主人は近所合壁有名な変人で現にある人はたしかに神経病だとまで断言したくらいである。
ところが主人の自信はえらいもので、おれが神経病じゃない、世の中の奴が神経病だと頑張っている。
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夏目漱石『吾輩は猫である』より引用
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蒸し熱い夏の夜に一縷の冷風が袖口を潜ったような気分になる。
元来この主人はぶっ切ら棒の、頑固光沢消しを旨として製造された男であるが、さればと云って冷酷不人情な文明の産物とは自からその撰を異にしている。
彼が何ぞと云うと、むかっ腹をたててぷんぷんするのでも這裏の消息は会得できる。
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夏目漱石『吾輩は猫である』より引用
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蒸し熱い夏の夜に一縷の冷風が袖口をくぐったような気分になる。
元来この主人はぶっきらぼうの、頑固つや消しを旨として製造された男であるが、さればといって冷酷不人情な文明の産物とはおのずからその撰を異にしている。
彼がなんぞというと、むかっ腹をたててぷんぷんするのでも這裏の消息は会得できる。
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夏目漱石『吾輩は猫である』より引用