働きづめに働い
24 の用例
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菓子工場、からし漬工場を営み、製造から包装、行商と身を粉にして働いたこと。
生まれてからずっと一時の休みもなく体を動かして働きづめに働いて生きてきたこと。
だからいまのような、上げ膳据え膳のけっこうずくめの生活はたまらないと訴えた。
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大塚公子『死刑囚の最後の瞬間』より引用
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ラモナ騎士団の顔ぶれもここでひとまず休憩して、兵糧を使うことにした。
朝から働きづめに働いていたのは彼らも同じだ。
今のうちに腹ごしらえをしておかないと、この先、働けなくなってしまう。
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茅田砂胡『大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝』より引用
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考えてもみてくれ。
オレたちは若い頃から何だかんだと批判されながらも、働きづめに働いてきた。
その結果、四十代の終りになってようやく支店長や部長になった。
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山田智彦『銀行 男たちのサバイバル』より引用
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井崎は疲れていた。
井崎は戦後の二十五年間を働きづめに働いてきた。
それは井崎だけのことではなかった。
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山口瞳『人殺し(下)』より引用
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とはいっても、崇の家が金持ちだということでは決してない。
狭い市営アパートに住んでいて、母は家計を支えるために働きづめに働いている。
父は会社員だったが、三年前に愛人をこさえて出奔してしまった。
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毛利『志生子 カナリア・ファイル~金蚕蠱』より引用
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赤津が平成五年十月に地元の日立市に自宅を新築した矢先の事件である。
武田は、働きづめに働いて報いられない赤津が哀れでならなかった。
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高杉良『勇気凜々』より引用
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もしそうだったら、高田浩介はなんと不幸な男だろう。
働きづめに働いたあげく、自分のまいた種とはいいながら、彼は殺人犯の父となってしまうのである。
島崎らのすぐまえで、父親と男の子が水へ入った。
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阿部牧郎『オフィス街のエロス』より引用
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七年前までは、母親が一家の生活を支えていた。
父親が病弱で仕事がなかったために、果物などの行商人として働きづめに働いたという。
が、その年、母親の突然の死によって生活は一変した。
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笹倉明『遠い国からの殺人者』より引用
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年齢的には義男の方が上だが、二人は世代としては同じところに属している。
戦前に生まれ、戦中に辛い子供時代を過ごし、戦後に働きづめに働いて生きてきた世代だ。
その世代だけに通用する、独特の人間判別法があるのかもしれないと、真一は思った。
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宮部みゆき『模倣犯 下』より引用
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ただただ気弱に「ことしこそ、仕事を減らして収入を増やしたい」と願うだけだ。
考えてみれば、働きづめに働いてきた。
会社に勤めていたときもよく働いたが、会社をやめてからは、さらに働きつづけた。
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青木雨彦『ことわざ雨彦流』より引用
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僕は働きづめに働いた肺をもう一度大きくふくらませ、空気をいっぱいに詰めこんだ。
市川陽『放課後のロックンロール・パーティ』より引用
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涙目になっているのは、本当に涙ぐんでいるからではなく、年齢のせいだろう。
滋子はまた、働きづめに働いてきた人生の晩年に待っていた不公平な出来事が、どれほどこの人の心と身体を傷めているだろうかと考えた。
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宮部みゆき『模倣犯 下』より引用
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しかし、背中がみりみりするほど朝から晩まで働いて、どうして農家はみんな貧乏なんだろう。
特に小作農家は、一生働きづめに働いたところで、まちがっても倉は建たない。
耕作は何となく疑問を感じた。
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三浦綾子『泥流地帯』より引用
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私の孫の大学生は、英語の勉強のために勤労者の一人として働いている。
彼は命ぜらるる時間通り働きづめに働いている。
ぼんやりと手を空しうして、油を売る時間の無いように、順序よく働かせらるるのに満足しつつ、その得るところ大なるを喜んでいる。
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小林一三『アーニイ・パイルの前に立ちて』より引用
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国を出奔してきてから、最高収入六七十円の父は、四十年間を、働きづめに働いてきて、猶働かなくては暮らせないのである。
だから、恩給恩給、と云うが、何んと私は、岡山へ行って、試験の日、半日、旭川で、ボートを漕いでいたのである。
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直木三十五『死までを語る』より引用
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その後、芙美子は俳優で詩人の男と同棲した。
相変わらず彼女は働きづめに働いていた。
ところが二人の仲は短期間で終わった。
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群ようこ『飢え』より引用
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いわば、働きづめに働いて来た男が、一安心して、富士登山を思い立つというのもわからないではないが、と源三郎はいった。
平岩弓枝『御宿かわせみ 04 山茶花(さざんか)は見た』より引用
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川田を憎む気持もうすらいでいた。
父が死んでから、働きづめに働いて、ようやく、今日になって、自由な暮しを得ている母に、もし川田が心のよりどころを与えているのであれば、由布は礼をいいたい気持になった。
由布は正直いって、母ひとりを置いて別府へ出た自分の責任も、いくらか、それにあると思った。
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水上勉『木綿恋い記(上)』より引用
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こんなことでわが三友銀行は実質的な業界ナンバーワンの座を今後も保持していけるのだろうか。
三友の今日を築いた先輩たちは、頭取以下部長クラスまで、元日以外は休みがないほど働きづめに働いてきた人たちである。
滅茶苦茶に働き、よく飲んで、現在の栄光をつかみとった。
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阿部牧郎『不倫の戦士たち』より引用
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眼を覚ましたときには、十時をすでに週ぎていた。
一週間働きづめに働いて、日曜に朝寝坊をすることが最大の楽しみである人々の精神状態など、メグレには無縁の代物であったはずなのに、なぜこんなことになったのか?
すっきりと眼が覚めなかった。
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シムノン/長島良三訳『メグレ氏ニューヨークへ行く』より引用