傾城買い
9 の例文
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それから見れば敵討ちなど畢竟遊びだ。遊びとしても傾城買いよりずっと不正直な遊びであろう。
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大石とこの男と、どんな関係にあるのか?それによって、傾城買いに浮身をやつしている大石の秘密の一端も知れる!岩瀬は、この前内蔵助が自分達を出し抜いて東へ下った時、例の変な家でこの男とあってから既に、何か裏面にからくりがあるやに疑っていたのだ。
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この場合の糠味噌汁は、ふつうのみそ汁も食えない最低の粗食を象徴しています。これはなにも「傾城買い」にかぎったことではなく、外で奢る者は、内ではまことに始末であること。ムダ使いする者は、必要な金すら出し惜しむ心理を嘲笑し、皮肉を浴びせているのです。
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近松の浄瑠璃『冥途の飛脚』にも、 「傾城に誠なしと世の人申せども、それは皆僻言、わけ知らずの詞ぞや、誠も嘘も本一つ」 という用いられ方をしています。傾城買いをして豪遊する者は、色香に迷って金をムダ使いしますが、家に帰ると糠味噌汁のような粗末な食事をしていると言うのです。わたしにもいささか覚えがありますが、これは遊び人の心理を鋭く衝いた言葉で、遊ぶ金は全然惜しくないのに、家で食べるものにはゼニ惜しみをする。
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やわらか味のある美男子で、番付の二枚目に書出されるところから二枚目の語源ともなった。元禄歌舞伎における傾城買いの伝統から発した役種で、初代坂田藤十郎などに代表される上方系のものと、初代中村七三郎や初代澤村宗十郎などに代表される江戸系のものがある。
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この役は生涯に18回演じるほどの当たり役となり「夕霧に芸たちのぼる坂田かな」と謳われ、『廓文章』など、その後の歌舞伎狂言に大きな影響を与えた。その後、京、大阪で活躍近松門左衛門と提携し『傾城仏の原』『けいせい壬生大念仏』『仏母摩耶山開帳』などの近松の作品を多く上演し、遊里を舞台とし恋愛をテーマとする傾城買い狂言を確立。やつし事、濡れ事、口説事などの役によって地位を固め、当時の評判記には「難波津のさくや此花の都とにて傾城買の名人」「舞台にによつと出給ふより、やあ太夫さまお出じゃったと、見物のぐんじゅどよめく有さま、一世や二世ではござるまい」とその人気振りが書かれている。
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雲助が傾城買の昔を語る 雲助は住所不定の浮浪者で、江戸中期以後、駕籠かきその他で道中の人に取入ろうとすることが多かった。傾城買いは芸者買い。ここは、昔のぜいたくな暮しを語る、流し芸人の今の身の上を、自嘲的に言ったもの。
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「通気粋語伝」は、水滸伝の舞台を傾城買いの世界にかえたもので、山東屋及二郎、その妻で背が高いので一丈青というあだ名のおさん、番頭の盧俊義、講釈師の呉用、相撲取の久紋竜進吉、草履取の李逵助、飛脚屋の戴宗、巾着切の時遷小僧などの名が見える。「いろは酔故伝」には鎌倉殿の権臣・高〓入道、その子武太郎、孫勝法師、宋次郎、深太郎などの名が、また「傾城水滸伝」には、青嵐の青柳、向う見ずの索城、雷の榛名、二鞭の芍薬などの女傑の名が見える。
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