傾城
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名詞
373 の例文
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あの顔は凶器といってももはや過言ではない。彼が万一女だったら、傾城の美女として歴史にその名を轟かせただろう。あれはまったく隠しておいたほうが世のため人のためだ。
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「あの、およしなされまし」 しかし女はおどおどと、その武士たちの袖をひいてとめている。うしろに傾城屋の亭主たちも不安そうについて来ているのが見えた。「新免という牢人はおぬしか」 と、一人がいった。
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宿なしの乞食でさえも眠るにはなお橋の下を求めるではないか。厭な客衆の勤めには傾城をして引過ぎの情夫を許してやらねばならぬ。先生は現代生活の仮面をなるべく巧に被りおおせるためには、人知れずそれをぬぎ捨てべき楽屋を必要としたのである。
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最後の煙曲は相当に色っぽい。傾城と遊び客の睦物語で、見ているうちにおれは妙な気分になってしまった。しかも、煙の男女の房事の間に、煙曲師はめりやすを唸って雰囲気を出した。
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傾城屋の楼主もしんでおりましたんだんが、そりゃあ厭な男でしたんし。殺されたもう一人は、君香さんと一緒に金を持って逃げた鉱夫ということでしたが、私は知りません。
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傾城となっても、この言葉づかいであり、この態度を彼女は失わない。
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さすがに古都の傾城たちらしく、心ものびるように優雅な行楽であった。じっとそれを仰いでいた七人の法師の眼がしだいにひかりはじめ、うなずき合うと、杯を投げ、いっせいにぬっと立ちあがった。
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すぐに男が覆いかぶさってきた。傾城屋ははじめてでも、女ははじめてではなさそうだった。男は性急に腰巻きをめくり、中に入ってきた。
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また、世阿弥の『申楽談儀』には彼女を「東洞院の傾城」であったと記している。傾城とは遊女の別称であり、身分の高い出自ではなかったようである。女性としての美しさもさることながら、機転が利き、酒にも強かったことから義満に寵愛され、義満の地方旅行にもしばしば同行した。
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煙草はみな助六にやってしまったからだ。即ち、すべての傾城が、助六に対して間接的に接吻を望むのである。
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それから見れば敵討ちなど畢竟遊びだ。遊びとしても傾城買いよりずっと不正直な遊びであろう。
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さすがに大名らしい風格は具えているが、少年時代野武士の子として育っただけあって、その面貌に、ほかの大名には見られない野性がたしかにある。その彼が、いま駿府の傾城屋に上りこんだのは、しかしその野性のせいではない。ある女に恋着したからだが、それにはまた特別のわけがあった。
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とはいえ、堺の運命とひとしく、彼女の運命もまたどこに明るさとて認められないはずなのに、彼女はそんなことなど全然念頭にないかのごとく、夜ごと日ごと、色餓鬼どもと淫楽をほしいままにしていた。その無明の傾城が、ふと或る日、或る女を呼んで来るように頼んだ。鵯を。
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でも傾城に、恋の情念から獣が憑く、というのが、もともとの歌詞ですから。
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ただ、そう思うと、嘆息せざるを得ない。「お前は傾城じゃの」 と、父は景の幼い頃から言い続けてきた。「お前ほどの傾城ならば、どこへでも望みの家に嫁げるわ」 傾城とは美人のことだと教えられた。
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それにあの傾城町こそこの堺の花、従って傾城こそは花の中の花。
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旗本には限らない、そうじて遊女や芸妓と武士との間には、越えることのできない関が据えられていた。人は武士、なぜ傾城に忌がられるかというと、一つには末の目当てがないからであった。恋はもちろん打算的から成り立つものではないが、しょせん添われぬと決まっている人と真剣の恋をするほど盲目な女は廓にも少ない。
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